信念込めた髪を切られた受刑者が刑務所を訴える 「髪型は宗教的自由」と主張
刑務所でその髪型はアリ? 受刑者が切られた髪を巡り裁判を起こす。
アメリカ・ケンタッキー州の黒人男性は、自身のドレッドヘアが切られたことを理由に刑務所を訴えている。『Grio』『USA Today』などの海外メディアが報じた。
■髪の毛を切るのは差別?
熱心な宗教的思想運動を行う「ラスタファリアン」であるカルロス・サーマンは、移送された刑務所の方針によって、ドレッドヘアを切るように職員から強制されたという。
サーマンはそれによって自身の憲法上の権利と宗教的自由が侵害されたと主張しており、連邦裁判所に州刑務所に対する差別訴訟を起こした。
■一部の人々には神聖なもの
サーマンがしていた「ドレッドロックス」と呼ばれるヘアスタイルは、絡まり合っている束状の髪型で、単に「ドレッドヘア」とも呼ばれる。ファッションとしての側面だけでなく、ラスタファリ運動の実践者にとっては神聖なものとして扱われているという。
それだけに、新しい刑務所の方針で伸ばしていた髪が切られることは大きな苦痛だったのだろう。
■髪型差別を保護する法律も
受刑者がある程度の自由を制限されるのは仕方ないようにも思えるが、裁判の背景にはアメリカにおける特殊な事情もある。アメリカでは髪型による差別が深刻化しており、特に特徴的な髪質の黒人は差別のターゲットにされることが多いという。
そのため、自由な髪型を保護する「CROWN法」と呼ばれる法案の中で、ドレッドやコーンロウなどの髪型も保護されるべきとしている。
■刑務所という場所だけに…
SNSでは「衛生的に問題がある」「物を隠せるような髪型はなぁ」と、刑務所にドレッドヘアはふさわしくないという主張が寄せられていた。
一方で「アメリカの刑務所は受刑者にもっと敬意を払うべき」「宗教的な理由でそうしているのなら仕方ない」といった擁護の声も見られた。
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(文/Sirabee 編集部・びやじま)