33歳で卵巣と子宮があると知った男性 血尿治療のため受診し判明
20年以上、誰も気づかなかった体内の事実が発覚した男性がいる。
身体に不調を感じた際の医療機関の受診、健康診断やがん検診が苦手な人は多いだろう。年齢とともに「病気だったらどうしよう…」「もし何か見つかったら…」と心配も増えるが、それでも勇気を出して検査を受けることは大切だ。
中国の男性は、ある検査がきっかけで驚愕の事実が発覚したという。イギリスの『Mirror』や『Daily Mail』が報じている。
■たびたび起こる腹痛と血尿
中国の四川省に住むチェン・リーさん(仮名)という33歳の男性は、若い頃から度々起こる腹痛と血尿の症状に悩まされてきた。これまでに数回受診するも、医師たちははっきりとした原因が分からず、虫垂炎などと診断されていたという。
ところが昨年、チェンさんは男性として生きてきたにもかかわらず、ある健康診断で女性の染色体を保有していることが発覚した。
■体内に卵巣と子宮が…
精密検査のため骨盤部のレントゲンを撮ってみたところ、そこには卵巣と子宮が写っていた。長年悩まされてきた血尿の正体は、じつは月経だったのだ。
また男性ホルモンのアンドロゲンは標準値を下回り、一方で女性ホルモンのレベルは健康な成人女性のレベルと同等であることもわかった。チェンさんは医師から、外見の性と身体の構造が異なる状態を指す「インターセックス」だと告げられ、大変なショックを受けたという。
■「インターセックス」とは
性染色体がX2本で誕生する女性と、XとY1本ずつで誕生する男性。インターセックスとは、日本では「性分化疾患」という言葉が使用されることが多いが、身体的な性が男性と女性の中間、あるいはいずにも一致しない状態を意味する。
身体の成長に従い男女どちらとして生きていきたいかを自身が決め、生殖器の除去か形成の手術が行われ、ホルモン分泌異常を治療することも重要になる。
また、チェンさんのようにインターセックスとして生まれてくる確率は、確実なデータはないものの、200分の3から2,000分の1ではないかと考えられるという。
■摘出手術は成功
悩んだチェンさんは、卵巣と子宮を摘出する手術を受けることを決意。今年の6月6日、3時間かかった手術が無事に成功した。
執刀したロウ・ザイピン医師によると、術後のチェンさんは「安心し、自信が復活している」とのことだが、睾丸が精子を生成できない状態だといい、子をなすことは不可能だろうという。
・合わせて読みたい→子宮と膣を2つずつ持つ“重複子宮”の女性 「同時に別の男性の子を宿すかも」
(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)