86歳の女性客室乗務員が活躍するアメリカン航空 豊富な経験に寄せられる信頼
アメリカ連邦航空局の規定に基づき、定期的な訓練や研修もしっかりと受けているという。
アメリカの大手エアラインに、なんと86歳の超ベテラン客室乗務員が勤務しているという。若かりし日の写真も公開されたが、笑顔の美しさは何ら変わってないようだ。『UPI』『abc News』などが報じ、話題を呼んでいる。
■体力勝負の仕事
客室乗務員とは、空の旅において機内の安全を守る保安要員であり、重いカートを押しながらの飲食物の提供は体力も必要。そして海を渡る国際線なら、時差ぼけにも悩まされる。
現在は多くのエアラインで中年以上の客室乗務員が活躍しており、定期的な訓練や研修も欠かさないという。しかし、年齢とともに頑張りがきかなくなる職業という印象を抱かれちなのも事実だ。
■『ギネス世界記録』に認定
そんななか、アメリカン航空にはベット・ナッシュ(Bette Nash)さんという86歳の女性の客室乗務員が在籍している。世界で最も高齢かつ最も勤続年数が長い客室乗務員として、このほど『ギネス世界記録』に認定された。
なおベットさんは息子が身体障害を抱えており、毎日自宅に戻る必要がある。そのため、ほとんどの乗務をボストン、ニューヨーク、ワシントンD.Cの各空港間を飛ぶシャトル便に限定してきたという。
■この秋、勤務年数は65年に
ベットさんは1957年、当時は大手として存在したイースタン航空に就職した。だが経営難に陥り、トランプ・シャトル社との合併を経て、吸収先のアメリカン航空に移籍したそうだ。
そして勤続60年という2017年、『ABC7(WJLA)』の取材に応じたベットさんは「昔、客室乗務員の採用は大変な狭き門でした」と語った。独身女性のみ受験資格があったが、同棲相手がいないかを探られ、体重や体型の管理に気を付けるよう厳しく命じられたという。
■「当時は食後にタバコを…」
また、昔の乗客は機内でタバコを吸っていたが、ベットさんによれば「食後にタバコとマッチを配っていた」とのこと。多くの機体に乗務した経験を持ち、機内サービスの移り変わりを知るベットさんは、後輩にとってはとても頼りになる存在だという。
アメリカン航空は昨年3月、勤続64年を迎えたベットさんの写真をInstagramで公開していた。そこには若かりし頃の写真も添えられたが、やさしい雰囲気と美しい笑顔はまったく変わっていないようだ。