健康そのものだった24歳女性医師が脳卒中に ピルの危険性に警鐘鳴らす
若い女性であっても、ピルには脳卒中のリスクを高める可能性があるという。
オーストラリアのメルボルンに暮らしながら、オステオパシー(代替医療)や整骨の専門家として活躍する医師のリサ・ガッドさん(32)。彼女は食生活も完璧で週に5回もジムに通う健康体だったなか、24歳だった2014年に脳卒中で倒れてしまった。
血栓ができた原因について「考えられるのはピル(経口避妊薬)だけでした」と明らかにし、女性たちの関心を集めている。
■髄膜炎と言われる
ガッド医師はこのたび『7News/Lifestyle』のインタビューに応じ、自身が体験した脳卒中の超初期症状、直前の症状、考え得る原因などについて詳しく話した。
ある朝、割れるような頭痛があり、やけに光がまぶしく、うなじに違和感を覚えたという。そのときはウイルス性髄膜炎と診断されたが、3日後に自宅で倒れて集中治療室(ICU)に運ばれた。
脳梗塞による3ヶ月の入院生活と3ヶ月のリハビリテーションを経て、なんとか社会に復帰したが、健康への自信を失ったことは非常に苦しかったという。
■直前にもさまざまな異変が
ガッド医師は倒れる直前の様子について「やはり光がまぶしく、脳内に強い拍動を感じたと思ったら人の話を理解できなくなり、突然嘔吐して目の前が真っ暗になりました」と話している。
特に体の片側の手や脚の突然のしびれや脱力感、うまく喋れない、見え方がいつもと違う、まっすぐに歩けないといった症状にも注意が必要だという。
■考えられる原因は…
ガッド医師はビクトリア大学で教鞭をとる傍ら、さまざまな検査の結果に基づき、主治医とともに脳血栓ができた原因について分析。「可能性として考えられたのは、ただ1つ。ピル(経口避妊薬)でした」と話している。
先日は、歌手ジャスティン・ビーバーの妻で人気モデルのヘイリー・ビーバー(25)が、一過性脳虚血発作のため緊急治療を受けた。彼女の主治医も原因について「最近始めたピルの服用、新型コロナの感染、頻繁な飛行機移動」の3つを指摘したという。
■若い女性でも要注意
オーストラリア医師会のクリス・モイ博士も、同メディアの取材に「若い女性であっても、ピルには脳卒中のリスクを高める可能性がある」と回答した。
高血圧、閃輝暗点(視界に20分間ほど現れるギザギザの光)を前兆とする片頭痛、喫煙などが危険因子であり、血液凝固因子に問題がある人で危険度ははるかに高くなると指摘している。
■脳卒中を疑ったらチェック
「この症状は脳卒中ではないか」と不安になった際の備えとして、以下の標語「FAST」を覚えておくといいそうだ。
・Face:顔にゆがみはないか。「イー」と言って両方の口角がしっかり上がるか。
・Arm:胸の前まで両腕を持ち上げ、左右が同じ高さまで上がるか。
・Speech:言葉がきちんと喋れるか、ろれつが回るか。
・Time:上記のような兆候があったら、ただちに救急車を要請。脳卒中の予後は治療開始が早いほど良いという。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)