映画『こちらあみ子』、井浦新が現場で撮影した劇中スチール&オフショットを公開
写真家としても活動する井浦新が撮影した、映画『こちらあみ子』のスチールやオフショットが解禁。パネル展でも展示される。
8日より、新宿武蔵野館ほか全国で順次公開される映画『こちらあみ子』より、主人公の父親役として出演する井浦新が撮影した劇中スチールとオフショットが解禁となった。映画の公開を目前に、各界著名人からの応援コメントも届いている。
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■芥川賞作家・今村夏子氏のデビュー作
原作は、『むらさきのスカートの女』で第161回芥川賞を受賞した今村夏子氏が、2010年に発表したデビュー作『あたらしい娘』(のちに『こちらあみ子』に改題)。
少し風変わりだが純粋な主人公・あみ子の行動が、家族や同級生など周囲の人たちを否応なく変えていく過程を、少女の無垢な視線で鮮やかに描いた作品で、今村氏は同作で太宰治賞、三島由紀夫賞をW受賞している。
■かつて見ていたはずの世界
あみ子はちょっと風変わりな女の子だ。優しいお父さん、いっしょに遊んでくれるお兄ちゃん、書道教室の先生でお腹には赤ちゃんがいるお母さん、憧れの同級生・のりくん、たくさんの人に見守られながら元気いっぱいに過ごしていた。
いつも会話は一方通行で、「応答せよ、応答せよ。こちらあみ子」と、誕生日にもらった電池切れのトランシーバーに話しかけるあみ子。
得体の知れないさびしさを抱えながらもまっすぐに生きるあみ子の姿が、常識や固定概念に縛られ、生きづらさを感じている現代の私たちにとって、かつて自分が見ていたはずの世界を呼び覚ます。そして、いつしかあみ子と同化している感覚に…。