スケートボード界でもトランスジェンダー問題 女子の部で優勝した29歳選手に物議
トランスジェンダー選手の大きな体、強い筋肉に競技としての公平性を疑う声は多い。
このところスポーツ界で、女子の部に参加して優勝をさらうトランスジェンダーの選手について、是か非かという議論が盛んになっている。それは、スケートボード界も例外ではなかった。『Free Beacon』『Mail Online』『NEW YORK POST』などが続々と報じている。
■優勝候補は13歳少女
話題となっているのは、ニューヨーク市で25日に行われた『The Boardr Open NYC』の女子の部。ファイナリストは10代の選手が最も多く、特に注目が集まっていたのは13歳のシャイロー・カトリ選手だった。
そんな中、最年長であるリッチ・トレス選手(29)が優勝し、500ドル(日本円にして約6万7,600円)の賞金を獲得。昨年優勝のカトリ選手は2位となった。
■女性選手の反感高まる
トレス選手がトランスジェンダーだったことについて、2位のカトリ選手は沈黙を続けているが、ほかの多くの選手は反発。スケートボードのダイナミックなパフォーマンスを支えるのは強靭な筋力であり、公平性に欠けると主張している。
折しも『ワシントンポスト』は先週、ある世論調査の結果を発表していた。それによると、アメリカの人々の62%が「アスリートは性同一性障害に関係なく、生まれたときの性別で参加するべき」と答えたという。
■歴然とした体力・筋力差
なお、スポーツ医学誌『British Journal of Sport Medicine』によると、イギリス空軍の女性隊員を対象とした2020年の体力・筋力調査では、腕立て伏せ1分間の回数がトランスジェンダー隊員だと31%も多く、2,400メートル走では21%も速かったという。
そして今月21日、国際ラグビーリーグ連盟(IRL)はトランスジェンダー選手の国際試合出場を一時的に禁止すると発表した。方針を固めるにあたり、現在も多様性に関する調査が進行中だという。
■水泳界は議決で「制限」と
さらにその2日前の今月19日、国際水泳連盟(FINA)は「思春期の二次性徴が起きる前に性転換手術を受けた場合は、女子としての出場が可能」と発表していた。
今年3月、アメリカ・ペンシルベニア大学水泳部のリア・トーマス選手が全米大学体育協会の水泳競技会で優勝したが、トランスジェンダーだとわかり、その圧倒的な強さが是か非かと議論になり、検討に入ったとしている。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)