インドの大気汚染は国民の寿命を奪うレベル 首都は「タバコを吸い続けている」状態
インドの首都デリーの住民は、常にタバコを吸っている状態。深刻な大気汚染にどう取り組むかが、最大の課題だ。
■平均寿命を延ばせるか
2019年、インド政府は「汚染との戦い」を宣言。2017年の粒子汚染レベルを2024年までに20〜30%削減することを目標に、「National Clean Air Program(NCAP)」を開始した。それ以来、インドは欧州連合(EU)基準と同等の燃料排出基準を採用している。
NCAPの目標段階ではあるが、そのような削減を達成し維持することは、インド国民の平均寿命を1.6年、デリーの住民にとって最大3.2年延ばすだろうと研究者たちは述べた。
■デリーに住むこと
日本から比べると想像がつかない大気汚染レベルであるデリーでは、喘息、頭痛や目眩、せきや鼻詰まり、喉や目の痛みなどを訴える人が多い。誰もが「タバコを吸い続けている」状態なのである。
大気汚染がひどい時は霧がかかったようになり、10メートル先が見えないこともあるほどだ。この時期に30分ほどオートリクシャーで移動すると、目や鼻は異常なほど乾燥し、喉の奥に痛みを感じ始め、倦怠感に見舞われる。
それでも現状は、危機感を覚える住人は少ない。インド政府やデリー州政府は大気汚染につながる焼畑やゴミ処理、軽油の制限、祭りや結婚式の際の爆竹など花火の禁止など、エコと環境保護に取り組み、企業などでもサポートは進んでいるが、まだまだ足りない状況である。
政府と国民の一人一人がもっと環境保護に興味を示し、行動を起こすことが大きな課題だと言えるだろう。
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(取材・文/Sirabee 編集部・NaganoYae)