大学生、就活で年収は求めてない? お金よりも譲れない「絶対条件」とは…
大学生が就職活動で重視するものは、変わってきていて…。
「高学歴」「高収入」「高身長」──。かつて、女性は結婚相手の条件にこの3つ、いわゆる「三高」を求めた。
その後時代は変わったが、年収は就職活動をする上で外せない条件の1つだった。だが、いま就活戦線に「異常」が起きていて…。
■「年収」は条件の1つだった
1日、大学生の就職活動で面接などの選考が解禁となった。慣れないリクルートスーツを着て、面接官に自分をアピールすることに注力する就活生も多いだろう。
会社を選ぶ際、学生が重視するものは多々ある。仕事のやりがい、福利厚生、会社の社風…など、人それぞれ。どんな基準で選ぶにせよ、「年収」を外せない条件の1つにする人も多かったのではないだろうか。
■副業ができるかを重視
だが、ここ数年、大学生が会社選びで重視するものに変化が起きている。『テレビ局 就活の極意 パンチラ見せれば通るわよっ!』(ゴマブックス)や『普通の僕らの負けない就活術 マスコミ就活革命(レボリューション)』(早稲田経営出版)などの著書がある、就活アドバイザーの霜田明寛さんが話す。
「もちろん年収も一つの重要な要素ですが、SNSを自由に使えるかや副業ができるか、テレワークをしているかも重視されています。今の大学3~4年生は小学生のときにiPadが発売され、遅くても高校生までにスマホを持つようになった世代です。ユーチューバーやインスタグラマーが身近な存在で、給料以外にお金をもらえる選択肢があることを知っています。企業を選ぶ際、給料も選ぶ基準の1つではありますが、副業ができるか、志望する会社でツイッターをやっている社員が社名を出してツイートしているかなど、細かい違いも選ぶ基準の一つになってきています」(霜田さん)。
■「自由な雰囲気を重視」
10年前のリーマンショック後の就職氷河期に比べて景気が回復したことで、学生たちが『企業に選ばれる』のではなく、『企業を選ぶ』意識になっている。そんな学生たちが求める条件には「共通点」があるという。
「副業については、何か具体的な目標がある学生ばかりではなく、そもそも許される環境であるかに重きを置いているんです。SNSでフォロワーが多い学生の中には、企業のPR投稿の仕事をした経験がある人もいます。だから、入社してそれを禁止されることを嫌がるんです。テレワークにしてもそうですが、学生は自由な雰囲気を重視する傾向にあります」(前出・霜田さん)。
■「イメージしやすい業界を選ぶ」
23年に卒業予定の大学生に人気の業界を調査した就活情報サイト「キャリタス就活」によると、1位と2位は情報通信やインターネットサービス事業が並んでいる。前出の霜田さんによると、この辺りからも時代の変化が見受けられるという。
「学生はイメージが湧きやすい業界を選ぶ傾向があります。人気企業ランキングは調査する会社によって多少違いはありますが、ひと昔前は必ず上位に入っていたテレビ局はランキングから外れています。テレビや雑誌を見て育った世代はイメージが湧くため、そうした業界を志望する傾向がありました。一方、小さいころからインターネットに慣れ親しんできた世代は、イメージの湧くIT業界を志望するのではないでしょうか。IT業界はテレワーク率が高いところも多く、学生たちが求める自由なイメージに合致するのかもしれません」(前出・霜田さん)。
企業側も学生たちの求める条件に対応する必要があるかもしれない。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)