彼女に腹を立てた男が美術館に侵入し展示物破壊 推定被害額は5億円以上とも
『モナ・リザ』襲撃からわずか3日後に起きた事件。古代ギリシャの貴重な工芸品がターゲットに。
彼女に腹を立てていたという男が美術館に侵入し、古代ギリシャの貴重な美術品を破壊した。その被害額は5億円以上とも言われている。『Washington Post』『Euro News』などの海外メディアが報じた。
■夜の美術館で展示物を破壊
6月の頭、アメリカ・テキサス州のダラス美術館で、閉館後の施設に男が侵入する事件が発生。ブライアン・ヘルナンデス(21)と特定された男は、美術館の窓を金属製の椅子で破壊して侵入し、古代ギリシャの貴重な工芸品を含む多数の展示品を破壊した。
警察によると、12の美術品が軽微な損傷を受けたほか、4つは「深刻な損傷」を受けたと述べている。
■彼女へのイライラを美術品に?
地元メディアの報道によると、ブライアンは武装しておらず、かつ美術館に侵入したのは美術品の盗難が目的ではなかったようだ。
供述書では、ブライアンは金属製の椅子を使って次々に陳列ケースを破壊して回り、ケースからネイティブアメリカンの彫像を掴み、床に叩きつけたとされている。この蛮行が警備員によって発見されると、「彼女に腹を立てていたので」美術品を破壊していたと語っている。
■貴重な美術品も被害に
ブライアンが破壊してまわった陳列ケースの中には、貴重な古代ギリシャの工芸品が含まれていた。紀元前6世紀頃の『黒像式アンフォラ』や、紀元前450年頃の『赤像式ピュクシス』があり、この2つだけでも500万ドル(約6億6千万円)の価値があるとされている。
この一件で、ブライアンは30万ドル以上の悪意のあるいたずらの容疑で逮捕され、5年の懲役が課される可能性があるという。
■相次ぐ美術品襲撃事件
今回の事件は、車いすの老婆に変装した男が、ルーブル美術館の『モナ・リザ』にケーキを投げつけた事件のわずか3日後に起こっている。『モナ・リザ』は厚い防弾ガラスに覆われていたため、絵画本体までケーキのクリームが到達することはなかった。
世界で最も有名な絵画の一つである同作は過去に何度も狙われており、1956年に酸や石を投げつけられたためケースで保護。2009年にも観光客にコップを投げつけられている。
・合わせて読みたい→ニューヨーク近代美術館で女性従業員2名刺される 小室眞子さん住宅付近
(文/Sirabee 編集部・びやじま)