昼間のネカフェが満室で… 快活CLUBがまさかの「進化」を遂げていた
コロナ禍でテレワーク需要が増えたネットカフェ。快活CLUBでは「異変」が…。
かつて「狭くて汚い」「女性が入りにくい」というイメージの強かったネットカフェ。だが、5年ほど前から清潔感を重視したり、完全禁煙や女性専用の店舗が増えるなど、洗練されていた。
最近は、昼間にネカフェを利用する人が急増していて…。
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■昼間は満室のところも…
5月下旬のお昼過ぎ、取材を終えてすぐに取りかからなければならない仕事があったため、東京・渋谷駅近くで作業ができるネットカフェを探した。リクライニング席を求めて行ったのだが、どこも満室で4軒回ってしまった。
あるネットカフェの店員によると、最近は昼間の利用者が増えていて、店舗によっては事前に予約しないと入れないところもあるという。ネカフェといえば、終電を逃したときに泊まるイメージが強いが、ここ数年で変化したのだろうか…。
■利用目的にも変化が
全47都道府県に展開している大手ネットカフェチェーン・快活CLUBを運営する快活フロンティアにここ数年の利用状況を聞いた。「以前は終電がなくなって、始発の電車が動くまでの深夜に利用されるお客様が多かったです。ただ、21年11月の稼働実績によると、主要都心の店舗では深夜0時以降に利用される方は減っています。一方、13時~16時など昼間の利用は増えており、店舗によっては満室になるところもあります。弊社の利用目的に関するアンケート結果によると、テレワークや学習目的が21年5月は男性22.3%、女性27.8%だったのに対して、21年11月は男性25.5%、女性29.2%と上がってきています」(快活フロンティア広報担当者)。
コロナ禍で夜遅くまで飲み会をすることが減り、リモートワークが浸透したことで昼間のネカフェ需要が急増したのだろう。
■「ウェブカメラも貸し出し」
「ネカフェ=汚い」というイメージはもう古い。快活CLUBも、清潔感のある店舗が多いのだ。
6月初旬、東京・新宿にある新宿西口2号店に足を運んで驚いた。近くにスタッフはいるが、受付は自動になっていて人とのやりとりが少ない。
店内は白を基調とし、スタイリッシュだ。快活CLUBは18年から鍵付き個室を導入し、現在505店舗中315店舗に鍵付き個室が入っている。
きれいな個室が並び、ネカフェというよりビジネスホテルのよう。リモートワークへの対応も万全で…。
「オフィス以外で仕事をしたいお客様に向けたサービスを始めました。ウェブカメラを無料で貸し出ししたり、AWS(AOKI WORK SPACE)と連携を図ってAOKIと同じ会員カードでも利用できるようになりました。また、試験段階ではありますが、一部の店舗でパソコンなしの個室も導入しています。リモートワークでご利用になるお客様はご自身でノートパソコンを持参されることが多いので、備え付けのパソコンがご不要になるためです」(前出・快活フロンティア広報担当者)。
ほかのネットカフェだと通話禁止のところもあり、話していると注意を受けることがある。気兼ねなくZOOM等で打ち合わせできるところも、昼間の需要が増えた要因かもしれない。
■席構成が変化する可能性も
コロナを機に世の中は一転した。前出の快活フロンティア広報担当者は、今後はそうした時代の変化に対応していくと語る。
「コロナ前は夜間に利用されるお客様が多かったため、横になれるフラット席の需要が高く、席構成もフラット席と椅子のあるリクライニング席の割合は7:3くらいでした。現在はリクライニング席を増やす店舗も増えていますし、今後は席構成も変化するかもしれません。また、21年12月から利用レシートの店名を快活CLUBかAOKI WORK SPACEか選べるサービスを導入し、現在は全店舗で利用することができます」(前出・快活フロンティア広報担当者)。
仕事で利用しても「漫画やネットをする場所」というイメージの強い領収書を会社に提出するのをためらっていた人にとってうれしいサービスだ。
めざましい「進化」を遂げていた快活CLUB。昼間に仕事で利用したら新たな発見があるかもしれない。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)