テキサス州小学校銃乱射事件の犯人は家族全員に犯罪歴 負の世代間連鎖に注目集まる
イジメの経験と高校中退、ゲーム依存だけではない。容疑者の家庭環境はとても劣悪だった。
5月24日、アメリカ・テキサス州のユヴァルディにある小学校で銃乱射事件が起き、21名の命が奪われた。現場では警察がサルヴァドール・ラモスという18歳の男を射殺したが、その後、容疑者の家族全員に犯罪歴があるという事実が判明し、新たな波紋が広がっている。
■機能不全家庭で育った容疑者
ラモス容疑者の両親が今、「息子を許してあげて」「自分1人を殺すべきなのに大きな誤を犯した」と、涙を流しながら訴える様子を全米のメディアが伝えている。
そんな中、『NEW YORK POST』はユヴァルディ郡裁判所に提出された宣誓供述書を元に、驚きの事実を伝えた。容疑者の両親や祖母などに犯罪歴が多々あり、とんだ機能不全家族のなかで育っていたというのだ。
■ビール瓶で人を殴った父親
この度の銃乱射事件の直前に顔面を撃たれた祖母のセリア・マルティネス・ゴンザレスは、1993年を皮切りに軽犯罪を繰り返し、最終的には罰金や訴訟費用の支払いを命じられ、2年の保護観察が言い渡されていた。
そんな母親の影響を受けたのか、ラモス容疑者の父親であるサルヴァドール・ラモス・シニアは2000年に暴行事件を起こし、公務執行妨害の罪も重なり180日間服役した。
さらに、2011年にはビール瓶で男性の頭を殴る傷害事件を起こして実刑判決が下り、激高しやすい性格と薬物乱用の治療プログラムを受講するよう命じられている。
■偽造小切手で捕まった母親
また、ラモス容疑者の母親であるアドリアーナ・マルティネスは、2003年に買い物で偽造小切手を使用して起訴され、2年後には家庭内暴力事件で逮捕されていた。
正義、道徳心、良心、良識などが希薄だったらしく警察との縁が切れず、冷たい視線を向ける世間に敵意を抱く大人たちに育てられた容疑者。身近で刑事事件が多発という特殊な家庭環境について、犯罪の世代間連鎖を食い止めることの難しさを指摘する声は多い。
■イジメと学校中退とゲーム依存
しかし、原因は劣悪な家庭環境ばかりではない。これまでラモス容疑者に関してメディアの取材を受けた多くの専門家が、思春期のイジメが尾を引いていると思われる高校の中退、そして数々の戦闘系ゲームに夢中になっていたことに言及してきた。
サバイバルホラーゲームの『Dead by Daylight』で負けた際に、ラモス容疑者が「学校で銃乱射を起こしてやる」というメッセージを残し、ゲームの運営者および連邦捜査局(FBI)に通報されていたこともわかってきている。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)