アスリートをスタジアムから追い出し練習時間を削減 政府高官が犬を散歩させるため
政府高官が飼い犬のために職権乱用? SNSでは「アスリートよりも犬の散歩に力を入れる国」と皮肉も。
インド・ニューデリーにある政府直営のタヤガラージ・スポーツスタジアムではここ数ヶ月、夜7時以降の利用が禁止されている。『Indian Express』『ABP Live』などの海外メディアが報じた。
■政府高官が犬の散歩のため…
「以前は午後8時半までは利用できていたのに、犬の散歩のために7時にまでは退去するように言われているんです」と、タヤガラージ・スポーツスタジアム利用者のコーチは訴える。
人々の話によると、犬を散歩させているのはインド政府の首席財務秘書官の男性で、彼は閉館した後の広々としたスタジアムに飼い犬を放ち、贅沢な時間を満喫するのだという。
■スタジアム関係者も否定?
秘書官は当初これを否定しており、スタジアムに「時々」ペットを散歩に連れていくことを認めたが、「選手の邪魔になるようなことはしていない」と主張している。
また、スタジアムの管理者であるアジート・チャウダリーさんは本来の利用時間は午後4時から6時までで、アスリートは「暑さに配慮して」特別に午後7時まで利用できると説明した。
さらにアジートさんは、午後7時以降に政府関係者が施設を利用していることは知らなかったとも語っている。
■SNSで事実が明るみに
しかし、秘書官が妻を連れ立ってスタジアム内で犬を走らせている様子を捉えた写真が、地元紙によって公開された。ニュースには大きな反響があり、話題はSNSにも拡散されている。
多くの批判の声のほか「政府関係者の特別な特権。いたって“普通のニュース”だね」「アスリートよりも犬のご機嫌取りに力を入れている国」などの皮肉も数多く寄せられた。
■秘書官は遠い土地へ異動
ニュースが世論を動かし、国会議員からも非難の声が上がった結果、秘書官と公務員の妻はそれぞれが遠く離れた土地へと異動になった。
秘書官は事実を認めており、「私はアスリートに去るように言ったことは一度もありませんが、それ(散歩)が好ましくないのであればやめます」とコメントしている。
なおSNSでは、秘書官の異動先であるインド最北部のラダックは自然が豊かで、犬の散歩には最適であると盛り上がっているようだ。
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(文/Sirabee 編集部・びやじま)