20代被告に終身刑と300年の懲役刑 武装強盗や性的暴行など罪状は39件
判事は「一生この危険な男が社会に戻れないように」と考え、極めて重い量刑を下した。
このほど南アフリカ共和国の裁判所で、性的暴行を含む数々の悪質な事件を起こした若い男の被告に対し、驚くような判決が言い渡された。『Blue Sky Publications/TheSouthAfrican.com』や『IOL』など、南アフリカ共和国のメディアが伝えている。
■極めて重い量刑が下る
5月26日、南アフリカ共和国ハウテン州にあるガ=ランクワ治安判事裁判所で、ンジャブロ・ングウェンヤ(Njabulo Ngwenya)という24歳の男の被告が起こした事件についての裁判が開かれた。
判事は被告に対し、有罪判決に続いて「5つの終身刑プラス懲役300年」という驚きの量刑を言い渡し、身柄を刑務所へと送った。
■未成年者への性的暴行も
ングウェンヤ被告は18歳だった2016年から、ハウテン州内の複数の女性宅に夜間に忍び込んでは、金銭、テレビ、携帯電話などを盗んだうえ、女性を強姦するなどして2018年9月に逮捕・起訴された。
このたびの裁判では39件の罪状につき有罪判決が下ったが、16件が強姦、13件が住居侵入、9件が拳銃による武装強盗、そして1件が殺人未遂だった。強姦の被害者には12歳、14歳、16歳と未成年者が3名含まれている。
■ほとんどが単独での犯行
ある事件で、家に侵入して2人の少女を襲おうとしたングウェンヤ被告は、物音に気づいて部屋に現れた兄に向けて拳銃を発砲。脚に命中したところで少女たちを連れ去り、近くの草むらで強姦していた。
判事は、この事件でみせた被告の強い凶暴性が、5つの終身刑にさらに懲役300年が加わった理由だとしている。なお、ボンガニ・マスクという男も共犯者として起訴されているが、ほとんどの事件はングウェンヤ被告独りの犯行だったという。
■途方もない刑期の意味
凶悪な殺人事件を犯した受刑者と異なり、性犯罪者は獄中では模範囚となる傾向がある。収監者が常に定員オーバーという刑務所では、彼らの刑期の短縮や仮釈放が検討されることは多い。
だがングウェンヤ被告は、武装強盗や殺人未遂を働くなど明らかな凶暴性がみられる人物だ。判事が「一生社会に戻れないように」と下したこの量刑には、大きな意味があると国内外で話題を呼んでいる。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)