空から球体金属の落下が相次いだインド 「人工衛星の破片か」と専門家
空から落ちてきた5キロの金属の球体。直撃すればひとたまりもない。
どんなにテクノロジーが発達しても、いまだ解明されない謎が世界には無数あふれている。インドでこのたび、金属性の球体が空から複数落ちてくるという現象が発生した。
世間はもちろん、科学者や専門家たちの間でも話題となっていることを、『India Times』や『CNN NEWS18』などが報じている。
■村に鳴り響いた爆音
12日の午後4時45分ごろ、インド・グジャラート州にあるアナンド地区のバルジ村で驚くような爆音があがり、村人たちが警察に通報した。
その後、地面に黒い大きな金属の球体が落ちているのが見つかり、地元警察が政府管轄の犯罪科学研究所(Forensic Science Laboratory:略称FSL)に連絡。FSLは解明のため、研究所に球体を持ち帰ったという。
■重さ5キログラム
球体の重さは約5キログラム。その後、隣接するカンブホラージ村とランプラ村にも、全く同じ物が落下したことが分かった。
その後3日間にわたり、ケダ地区のウムレスとナディアドという町でも同様の物体が複数見つかり、村は「エイリアンの襲来か」と一時騒然となった。なお、この球体の落下による負傷者は報告されていない。
■「人工衛星の破片の可能性」
球体は地面に落ちた衝撃で割れ、中身が飛び散っている物もあったが、それが何なのかはいまだ分かっていない。
現在、宇宙科学の研究を行うインド物理学研究所(Physical Research Laboratory)とFSL、およびインド宇宙応用センター(Space Applications Centre)が協力し、物体の解明と調査を進めている。
これらの研究機関の情報をまとめると、現時点では、人工衛星の打ち上げ後に落下するロケット・ブースターの破片である可能性が高いとのことだ。
■国際的な天文学者もコメント
またこの件に関し、ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの天文学者であるジョナサン・マクダウェル氏は、ツイッターで「2021年9月に打ち上げられた中国の長征・3C・シリアルY86・ロケットの破片かもしれない」と明かしている。
グジャラード州の上空では騒動があった当日、そのロケットの第3段機体が大気圏内に再突入する様子が確認されており、その破片ではないかというのだ。
地球低軌道には、役目を終えた人工衛星やロケットなどによる宇宙ゴミ(スペースデブリ)が2万5,000個ほど漂っているといい、高度600キロメートル以下にあるものは数年で地球に落下するそうだ。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)