東京チカラめし、10年ぶりに行ってみたら… 焼き牛丼が驚きの「進化」を遂げていた
全国で3店舗のみになった東京チカラめし。久しぶりに食べに行くと、店内は満席で…。
かつて街のいたるところで看板を見かけるほど、一大ブームを巻き起こした東京チカラめし。最近はほとんど見かけなくなったが、いまどうなっているのか。10年ぶりに、同店名物の焼き牛丼を食べてみると…。
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■全国で3店舗のみ
東京チカラめしは、2011年に牛丼業界に水星のごとく現れた。同店の売りは、従来の煮る牛丼ではなく、鉄板で焼いた「焼き牛丼」。
その斬新な調理方法と当時1杯290円という価格から、サラリーマンや学生から絶大な支持を集めた。13年には130店舗近くまで急拡大したが、14年から撤退が相次ぎ、次々にお店が閉店。
現在は、東京の新宿西口1号店、千葉の新鎌ヶ谷店、関西の大阪日本橋店の全国3店舗のみとなっている。
■雨の日でも満席
余談だが、記者は10年前の大学時代、チカラめしに週2~3回通っていた。午前と午後の講義の合間で時間がないけど、ガッツリ食べたい時に重宝していた。
だが、社会人になってからまったく足を運んでいなかった。今年は原材料価格の高騰によって、どの飲食店も苦戦を強いられているが、チカラめしはどうなっているのか。5月中旬のお昼、新宿西口店に足を運んだ。
お店はサラリーマンが多かったが、女性1人で食べている人もちらほら見受けられた。この日はあいにくの雨だったが、記者が席に座ると満席に。いまも、根強いファンが多いのだろう。
メニューを見ると、おなじみの焼き牛丼だけでなく、牛丼店にはめずらしい「まぐろ丼」や「唐揚げ目玉焼き8×8定食」という唐揚げ8個に卵が8個も入ったボリューム満点のものもあった。目玉焼き8個という衝撃メニューと一瞬迷ったが、焼き牛丼(490円)と温泉卵を注文した。
■食べやすい味になっていた
注文から5分程度で着丼。スピード感に懐かしさを感じつつ、早速食べてみる。
口に入れた瞬間、驚いた。肉が格段においしくなっていたからだ。一時期、肉の脂が強かった時があり、人によってはそれを敬遠する声もあった。
だが、肉の脂はさっぱりしており、独特の甘辛いタレともよく絡んでご飯が進んだ。焼き加減もほどよくカリッとしている。米も、以前より甘みが増しておいしくなった印象だ。
少し食べた後に、卓上にあるガリを投入。通常、牛丼には紅ショウガを入れるが、チカラめしは甘酸っぱいガリを入れる。これがさっぱりしていておいしいのだ…。
■10年ぶりに食べた感想は…
半分ほど食べたところで味変。豆板醤が入った卓上の辛味だれを2周かけ、温泉卵を崩す。これによって、辛みが増しつつも卵によってマイルドになるのだ。
夢中でかき込んでいるうちに完食。14年にお店の撤退が始まった時期には、ネット上で「味が落ちた」という声もあった。だが、10年ぶりに食べてみたら、昔と同じ…否、以前より格段に「進化」していた。
「チカラめし」は21年に香港に1号店をオープンし、現地で大人気となっているという。だが、個人的には国内で食べられるところが増えることを期待してしまう。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)