離陸後に副操縦士が衝撃告白「最終試験がまだ…」 飛行機が引き返す事態に
訓練中の副操縦士がフライトを担当し、離陸後に激白。飛行機は引き返す羽目に…。
私たちは、航空会社と乗員を信頼したうえで飛行機のチケットを購入し、搭乗する。しかし、イギリスの航空会社でこのたび、あってはならない事態が発生していたことが判明した。『TMZ』『Daily Mail』など英米のメディアが報じている。
■「最終試験がまだなんです」
重大な問題が発覚したのは、今月5日午前9時41分、ロンドンからニューヨークに向かうため、ロンドン・ヒースロー国際空港から飛び立ったイギリスの大手航空会社『ヴァージン・アトランティック』によるフライトだ。
離陸して約40分後、そのコックピットで副操縦士は機長に「じつはまだ、パイロットの最終試験が終わっていないんです」と突然の告白をしたという。
■飛行機は引き返し
驚いた機長は、ただちに航空管制に引き返す旨を連絡。乗客たちには「管理上の誤りが生じたため」と説明し、飛行機は午前11時12分にロンドン・ヒースロー国際空港に戻った。
問題の副操縦士は降機し、乗客たちは機内で待機。航空会社が代わりの副操縦士を探して同機は再び離陸し、2時間40分遅れで目的地のジョン・F・ケネディ国際空港に到着した。
■乗客への補償はない
ヴァージン・アトランティックはこの件について謝罪し、「同じことが再び起こらないよう、乗員の管理について規定を改定しました」とコメントした。
一方、乗客はSNSやメディアの取材に「こんな理由で引き返しや遅延になったにもかかわらず、事情の説明は遅く、航空会社からは何ら誠意ある対応や補償はなかった」と不満をぶちまけている。
遅延への補償について、規定では目的地までの距離が3,500キロメートル以上、かつ4時間以上遅れた場合に適用されるとあり、距離は十分だったが遅延が2時間では対象外だという。
■パイロット不足も原因か?
この件について、専門家は「航空会社のパイロット不足が原因のひとつではないか」と話している。さらに新型コロナウイルスのパンデミックも、パイロットの育成訓練に大幅な遅れが生じている原因とのこと。
また、かつて訓練の修了までに必要な飛行時間は250時間前後だったが、世界中で飛行機事故が相次いだことから、現在では1,500時間前後に増えたという。航空会社側はより多くのパイロットを募集し、できるだけ早く訓練を終えるよう必死に対応している模様だ。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)