「冷やし中華」が前倒しスタートの理由は暑さ? マルちゃん本社が”意外な回答”
最近、春先から冷やし中華をはじめるお店やコンビニが多い。家庭でも食べる人が続出していて…。
「冷やし中華はじめました」──。夏を象徴する食べ物の1つ冷やし中華。
かつては5月から6月に始まるのが一般的だったが、ここ数年、4月でもおなじみのキャッチコピーを目にすることが増えた。冷やし中華でおなじみの「マルちゃん正麺」は3月中旬から販売している。
前倒しで始めるのはやはりこの異常な暑さが理由なのか。マルちゃん本社に聞くと、意外な答えが…。
■各地で25度を超える日が
ここ数年、春が少なくなったと言われている。4月や5月でも25度を超える日が増え、冬が明けたと思ったらあっという間に夏になる印象だ。
今年もすでにその予兆が見える。22日に発表された1週間の天気予報によると、25日の月曜日は東京が最高気温26度、名古屋が28度、大阪が26度と各地で熱くなることが予想されているのだ。
ちなみに、最高気温が25度以上の日は「夏日」と定義される。4月に夏日が出るとなると、今年の夏はどうなってしまうのか…。
■飲食店やコンビニで続々とスタート
異常と言っても過言ではない暑さの中、変化しているのが冷やし中華の始まる時期だ。
「餃子の王将」は4月13日からスタートし、「大阪王将」では27日から販売開始する。セブンイレブンやファミリーマート、ローソンでは3月終わりごろから冷やし中華の数が増えている印象だ。
10年前、記者がコンビニでアルバイトをしていたときは、ゴールデンウイーク明けくらいから本格的に冷やし中華を拡充していた記憶だ。そんななか、冷やし中華でおなじみ「マルちゃん正麺 冷し中華」はなんと3月21日から発売されている。
これだけみると、この暑さで前倒しになっていると推測してしまうが…。
■東洋水産の意外な回答
「マルちゃん正麺 冷し中華」の販売元である東洋水産にここ数年、同商品を早めに始めているのは暑さが理由なのか、問い合わせた。「発売時期は13年の新登場時より早まっておりますが、暑さが理由ではございません。マルちゃん正麺 冷し中華は、13年 4 月より春夏期間向け商品として新登場いたしました。翌年以降は3月に発売しております。発売時期の変更理由は、販売戦略的な目線になりますが、冷し中華は季節性が高いカテゴリーになりますので、商品発売と小売店様の春夏向けの棚の切り替え時期がかけ離れすぎると、売場に並べることが困難な状況になります。気温などにも左右されますので、これまでの経験と売場での兼ね合いを加味して、3月に発売しております」(東洋水産CSR広報部)。
単に春先から暑い日が増えたからではなく、緻密な戦略に基づいて販売していた。
■家庭では早くも「はじめた」人が
とはいえ、家庭でも「冷やし中華はじめました」が前倒しになっているようだ。実際、ネット上では「27度の予報だから、お昼は冷やし中華にする」「時期早いかなと思ったけど、夕飯冷やし中華にしちゃった」「温かくなっているのでそろそろ冷やし中華やろうかな」「暑いから職場にスーパーで買った冷やし中華持っていった」など、4月半ばから冷やし中華を食べる人が多数見受けられた。
冷やし中華は夏限定メニューではなくなりつつあるのかもしれない。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)