大学の対面授業再開も 「食べる場所がない」「思ってた学食と違う」…学生の悲痛な声

お昼どきの大学の学食には大行列が。学生たちは落ち着いて食事できないようで…。

2022/04/14 06:00

東京大学

4月に入って2週間──。大学では対面授業を再開するケースが増えている。部活やサークルの勧誘、友達との飲み会…ようやく大学に活気が戻りつつあるが、問題点も。登校する学生が増えたことで、学食に多くの人がごった返しているというのだ。

学生の間では、「食べる場所がない」と悲痛な声も聞こえてきて…。

【写真】大学の学食には大行列が…


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■「学食混みすぎ」の声

コロナが始まり3度目の春。全国の大学で対面授業を一気に再開する学校が増えており、慶應義塾大学は対面授業の割合を5割から9割に増やし、明治大学はアルコール消毒などの感染対策を徹底した上で全面的に対面授業を実施するとしている。

サークルの勧誘なども始まり、待望のキャンパスライフを満喫している学生も多くなる。ただ、登校する学生が増えたことで、意外だが「学食」に人があふれてしまっているとの情報が…。

ネット上では、「学食の混み方尋常じゃねぇ。座れる場所ない」「人が少ない学食に慣れてたからいまの混み方ちょっとムリ」「行列並んでたら三限遅刻した」「昼どきの食堂と中庭の混み具合えぐすぎ…」などの声が多数あがっている。

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■大学外の飲食店に長蛇の列

東洋大学

いま、大学の学食はどうなっているのか。学食ランキング1位に輝き、学生以外の利用者も多かった東洋大学に足を運んだ。12時すぎに白山キャンパス(東京文京区)を訪れると、正門の前に3~4人の警備員が立っており、学生証を提示しないと学内に入れないなど、物々しい雰囲気だ。

東洋大学

学食は午前10時から夜8時まで営業しているが、学校から出てきた学生によると「お昼どきは入れないことが多い」という。学外で食べようとする学生も多く、ラーメン店ややよい軒、コンビニには長蛇の列ができていた。

日本大学経済学部

水道橋にある日本大学経済学部(千代田区)の学食は、10時~午後4時まで営業。学生によると、やはり昼どきは混むため、時間をずらして行っているという。また、食堂にはアクリル板が設けられているため、「周りがざわざわすると、友達の声が聞こえにくく、会話もしにくい」(日大生)とのことだった。

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■「食事する場所がない」

明治大学

2大学を訪れたのとは別の日の12時前。明治大学の和泉キャンパス(杉並区)に行くと、駅からキャンパスに向かう道が多くの学生であふれていた。

明治大学「学食」

学食の営業時間は午前11から午後2時まで。今年入学した男子学生は、人の多さに顔をしかめる。

「学食はお昼時になると、100人近い人がいると思います。入口にはすごい行列ができていて、入る気になりません…。学内にはお弁当売り場やキッチンカーもあるので、そこで買って外で食べようと思っても、ベンチには人だらけで座れないんです。学校の外にお店もありますが、そこも満席です。食べる場所がなくて困ってますよ(笑)」(明治大学の男子学生)。

明治大学学食

学食を利用した女子学生は「再び学食を使えるようになってうれしい」と話すが、コロナ禍での制限に困惑する。「テーブルには仕切りがあるので、友達と2~3人で横並びに座って食べます。大学だと5~6人のグループで固まって食べるイメージでしたが、想像と違いましたね…」(明治大学の女子学生)。

明治大学「ラウンジ」

学食や中庭を避けて、ラウンジや空き教室で食べようとすると、こんな問題も…。「ラウンジには大勢学生がいて、みんなマスクを外して話しているので、だいぶにぎやかです」(前出・女子学生)。

和泉キャンパスは、1、2年生が通うことが多いため、履修登録や教科書をそろえるこの時期は、どうしても人が集中してしまうのかもしれない。


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■食堂には目立つポスターが

東京大学

最後に、東京大学(文京区)を訪れた。同大学の学食は「東大生協 中央食堂」があり、学生以外からもおいしいと評判だ。

東京大学「学食」

東京大学「学食」

東京大学の学生は、お昼どきの混乱は少ないと話す。

「キャンパス内にはレストランやカフェがたくさんあるので、あまり人は集中しません。食堂には、ソーシャルディスタンスを保ったり、できるだけ話さないで食べるよう促すポスターが貼ってあるので、みんな意識していますよ」(東京大学の学生)。

と、各大学の様子をリサーチを完了。混雑の理由として、①久しぶりの登校とありコミュニケーションの場に学食が選ばれやすいこと ②ソーシャルディスタンス確保のため座席数が減ったこと ③学校周辺の飲食店がコロナ禍で閉店したなどの声が確認できた。コロナで狂わされたキャンパスライフ、一日も早く平常時に戻ってもらいたいものである。

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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人

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