世界遺産のロンドン観光名所「ビッグ・ベン」に鉄筋激突 130億円の修繕直後
修繕工事を終え、美しさを取り戻したビッグ・ベン。先月公開されたばかりだったのに…。
世界でも人気が高い観光地であるイギリスのロンドン。その市内随一の観光スポットが、なんとも気の毒な状況に見舞われているという。フランスの『Opera News』や『LAD BIBLE』などの海外メディアが報じた。
■ビッグ・ベンに鉄筋が
その状況を目撃したサラ・ハイネスさんによると、彼女は今月2日、ロンドンのシンボル的な存在で、世界遺産(文化遺産)にも登録されているウェストミンスター宮殿やその周辺を観光していた。
そして、テムズ川沿いを歩いていると、通行人や建設関係者らが、何やら神妙な面持ちで上を見上げていることに気付いた。なんと、宮殿に併設されている有名な時計塔「ビッグ・ベン」の横腹に大きな鉄筋が激突していたのだ。
■かなりの衝撃か?
じつはその1週間ほど前から、かなりの強風が続いていたロンドン。ビッグ・ベンのふもとを修繕していた足場や鉄筋が、強風にあおられ激突したと考えられている。
建設関係者らは何とか鉄筋を離すよう試みたものの、風が強く、離せばまた塔に激突ということを、何度も繰り返してしまったそうだ。
サラさんは「ぶつかった所から、何かが壊れたり落ちたりといった様子は見受けられませんでしたが、ぶつかる度に衝撃はかなりなものでした」とメディアに話している。
■修繕が完了した矢先
今年はエリザベス女王の在位70周年を祝う「プラチナ・ジュビリー」という祝賀行事が行われるなど、記念すべき1年だ。そのためビッグ・ベンは5年にわたる修繕工事が行われ、今年1月に終了。やっとお披露目されたばかりだった。
修繕工事の最初の予算額は2,600万ポンド(日本円にして約42億円)。それが最終的に8,000万ポンド(約130億円)まで膨れ上がり、国民から多くの批判が相次いだ。
■2ヶ月後に控えた祝賀行事
6月には同祝賀行事のパレードやイベントが盛大に催されるが、それまでに今回の激突で損傷した個所の修繕やその費用など、ビッグ・ベンについては、また新たな問題が上積みされた印象だ。
なお、青銅の一種である砲金製の文字盤は、これまで老化や大気汚染のせいで黒く見えていたが、修繕により本来のプルシアン・ブルーが戻って来た。短針は長さ2.7mで重さ300kg、長針は長さ4.2mで重さは100kg。来年の1月1日には久しぶりに新年を告げるベルが鳴る予定だという。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)