ロシア人の母親が計画した無理心中で息子が死亡 ウクライナ侵攻で心を病んだか
容疑者の夫は「テレビに軍事侵攻の様子が映し出されるたびに、妻は心を病んでいった」と話している。
ウクライナに対する軍事侵攻、そしてロシア兵による市民の大量虐殺疑惑。今、世界各地でロシア国籍の人たちは肩身の狭い思いをしていると言われているが、そんななかで精神のバランスを崩してしまう人も少なくないのだろう。
アメリカのウィスコンシン州では、そんな1人の母親が一家無理心中を計画。息子1人を殺害して逮捕されたことを、『NBC News』『NEW YORK POST』などが大きく報じている。
■8歳次男の胸を一突き
事件は先月30日、ウィスコンシン州のシェボイガン・フォールズという町で起きた。ロシアからの移民であるナタリア・アレクサンドロフナ・ヒッチコックという女(41)が、就寝中だった次男のオリバーくん(8)をナイフで殺害したとして、逮捕された。
オリバーくんは大型のナイフで胸を一突きされており、現場は血の海と化していたという。
■息子の悲鳴で目を覚ます
犠牲者の兄(11)は、警察の聞き取りに「僕も2日前にバスタブに頭を押し込まれて死にそうになった」と話した。
また、ふたりの父親でナタリア容疑者の夫は、少し前に彼女が武器や凶器を調達しようとしていることに気づき、「変なことを考えてはだめだ」と止めていたことを説明。
「それでもナイフを抱いてベッドに入るようになり、その晩は息子の悲鳴で目が覚め、寝室に駆け付けた」と話しており、犯行の計画性は明らかだった。
■精神疾患の病歴はなし
犯行後のナタリア容疑者はナイフを握りしめたまま周辺を歩き回り、「家族全員で死のう」「鎮痛剤を大量に飲もう」などと口走っていたという。
今月5日、シボイガン郡保安官事務所はナタリア容疑者を第一級殺人および殺人未遂の容疑で起訴した。感情の起伏が激しくなるにつれ、ウォッカの飲酒量が一気に増えていたが、精神障害などの病歴や通院の事実は確認できないという。
■迫害への不安と恐怖が募り…
「テレビに軍事侵攻の様子が映し出されるたびに、妻は心を病んでいった」と話している夫。やがて「私たちはロシアのスパイとみなされ、子供たちは学校でいじめにあい、あるいはさらわれて人身売買組織に売り飛ばされる」などと妄想を口にするようになっていたという。
ナタリア容疑者の両親はロシアにおり、今後の暮らしに不安が募るなか飛行機が飛ばないため、助けに行きたいのに行けないという状況にも苦悶していたという。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)