政略結婚の式本番で誓いを拒み恋人と結婚 少女の勇気ある行動を警察も支援
自分の人生を大切にしたいからこそ、少女は好きな男性と結婚する意志を守り抜いた。
これだけ自由が認められている時代になっても、親が決めてきた縁談で年齢も性格も知らない男性と結婚させられる女の子がいまだに多いというインド。そんな中、あくまでも自分が好きな相手との結婚を望んだ少女がいた。
彼女が見せた勇気ある行動が反響を呼んでいることを、『IndiaToday』『TimesNowNews』などが報じている。
■親が勝手に決めた縁談
この話題は、インド・ウッタルプラデーシュ州のクシナガラ地区から伝えられた。ここはネパールとの国境にも近い田舎町だが、仏教四大聖地のひとつで釈迦の「入滅(涅槃)の地」とされ、世界から巡礼で訪れる人がいるという。
そのクシナガラ地区で、このほど1組の男女がニカと呼ばれるイスラム教徒の結婚式を挙げた。しかしその結婚は親が勝手に決めたもので、新婦はまだ未成年だった。
■永遠の愛の誓いを拒否
少女は、性格も知らないアズハルディンさんという男性との結婚に不安を覚えると同時に、大好きなボーイフレンドがいた。彼との別れが何よりつらかったが、親には逆らえないままついに結婚式の日を迎えた。
式は滞りなく進行したようにも見えたが、大勢が見守るなか、いわゆる永遠の愛を誓う「契約の言葉」を交わす際、新婦である少女はそれを拒否。両家は騒動となり警察が呼ばれた。
■警察官らが両親を説得
「この結婚は嫌です。どうしても交際中のボーイフレンドと結婚したい」と、警察官に訴えた少女。腹を立てた新郎とその家族は、すでに会場を去っていた。
警察官は少女をパトカーに乗せると署へ。パドラウナ地区のランコラに暮らすアラムさんというボーイフレンドをそこに呼び、少女に対する愛情や結婚したい気持ちを確かめてから、少女の両親を署に呼び寄せた。
■若いふたりは警察署で挙式
警察の職員たちが「結婚は本人の気持ちを優先させて」と説得を続け、頑なだった両親もついに折れたという。21日、少女とアラムさんのふたりは警察官を証人に署で結婚式を挙げた。
自分の人生を大切にしたいからこそ、好きな男性と結婚する意志を守り抜いた少女。そして警察が見せたサポートは、インドの多くの女の子に、大きな勇気と生きる希望を与えたと話題になっている。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)