101歳で高校卒業を叶えた男性 80年間抱き続けた「後悔」に決着
高齢男性が見せる圧倒的な行動力に、世間は驚いている。
やむを得ず高校を中退するも、そのやりきれない想いは年々募るばかり。悔いのない人生を送るため行動を起こした男性に、『UPI』などの海外メディアが迫った。
■1世紀近い人生を振り返って
話題の人物であるメリル・ピットマン・クーパーさん(101)は、アメリカ・ウェストバージニア州のハーパーズ・フェリーにあり、1955年に閉校したストアラー・カレッジという高校に通っていた。
毎日学校に行くのを楽しみしていたクーパーさんだったが、家庭の経済的な理由で1938年に高校を中退。母親とともにフィラデルフィアに引っ越し、以降は進学することなく働きに出たため、高校卒業認定を得ることは叶わなかったという。
それでもフィラデルフィアで輸送関係の仕事に就き、それより後に勤めた会社で副社長にまで上り詰めたそうだ。
■久しぶりの故郷で一大決心
2018年、いくつ歳を重ねても高校を卒業できなかったことを後悔しているというクーパーさんが、ストアラー・カレッジがあった場所を数年ぶりに訪れた。
そこで「悔いのない選択をしたい」と改めて思い、家族の協力を経て、どこかで高校の卒業資格を取得できないか模索し始めた。しかし取り合ってくれる学校はなく、望みは薄かったそうだ。
■思わぬ提案に驚愕
そんなクーパーさんに手を差し伸べたのは、故郷のウェストバージニア州にあるジェファーソン・パブリック・スクールズだった。
ボンディー・シェイ教育長は「年齢差関係なく生徒の願いを叶えるのが、我々の目指す学校像だと思っています」と話し、クーパーさんを歓迎した。そして2022年、同学校でクーパーさんの卒業セレモニーが開催。クーパーさんは80年越しの願いが叶ったと満足しているという。
・合わせて読みたい→スザンヌ、“本物”の制服姿で笑顔の報告 「35歳の高校生、卒業します」
(文/Sirabee 編集部・多田一喜)