「サイバーコンドリア」の危険性に注目集まる 軽い不調もネット検索で大病と思い込み

医師に「大丈夫」と言われても信用できず、再び自宅でネット検索を繰り返す人も。

2022/03/26 18:30

ネット炎上,SNS

自分や大切な家族の体調不調について、インターネットで検索して調べるという人はとても多い。だが、そこで予想外の重病の名が出てきて青ざめてしまう人や、じつは危険な病気なのに、素人やエセ医師のあやしい回答で放置してしまう人も。

必ず正しいとは言えず、良い結果になるとは限らない健康医療関連のネット検索。そこでGoogle社は…?


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■重病の可能性は…?

健康医療面で何か心配なことがあると、パソコンやスマートフォンで執拗にネット検索を繰り返すことがある現代人。真剣なほど、ページを開く量も時間もかなりのものになるのだろう。

そして、1%ほどの可能性しかないにもかかわらず、リストに重病の名前を見つけた途端、不安で食事も喉を通らず、夜も眠れなくなってしまうという人も少なくないようだ。

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■サイバーコンドリアとは

医療機関を受診する前に、ネットの情報をもとに自分は重病なのではと思い込み、誤解、恐怖や不安に心が支配されてしまうのは問題だ。

医師に「この薬を飲めば数日で治るでしょう」と言われても信用できず、再び自宅でネット検索を繰り返し、目は吸い寄せられるように深刻な病の情報に。これでは精神状態はますます悪化していく。

ネット社会ならではのそんな現象は、10年以上も前から、サイバーにヒポコンドリア(心気症)を重ねて「サイバーコンドリア」と呼ばれてきた。

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■ナレッジコミュニティの問題も

心気症もつらいが、逆に素人が知識や知恵を教え合う、いわゆるナレッジコミュニティの情報を信じ、放置してしまうことも危険だ。

たとえば腕に1センチほどのホクロがあることに気づいて検索したとき、「検査を受けたら悪性黒色腫メラノーマで、早期の切除で命拾いした」という経験談にヒットすれば、早めに皮膚科を受診することだろう。

だが「うちの夫は生まれつき腕に1センチくらいのホクロがあり、問題ないと言われている」「検査したら脂漏性角化症だった」といった話を読んで楽観視し、放置してしまう人も。これはじつに危険なことだ。


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■高レベルの検索結果を求める時代に

サイバーコンドリアを問題視していたGoogle社は、このたび公式ブログで「過剰なネット検索や気苦労からユーザーを救い、必要な受診に正しく導きたい」として、Googleナレッジグラフの検索API(Google Knowledge Graph Search API)の使用を奨励。英語圏から順次使用が可能になると発表した。

健康医療各分野の専門知識と治療実績を持つ複数の医師たちでチームが結成され、そこでユーザーの疑問や不安、現れている症状ごとに、限りなく正しい情報の提供と解説に務めるという。

なお、監修にあたっているのはアメリカのナンバーワンの医療機関であるメイヨークリニック。医療関連の情報はやはり量より質。新たなサービスに大きな期待が集まっている模様だ。

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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ

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