赤ちゃんを腕にぶら下げ「この子をお願い」 わが子を他人に押し付けようとした女が逮捕
通報した女性は、「望まれぬ状況で誕生した赤ちゃんは、善良な里親の元で育つのが一番」と話す。
予期せぬ妊娠と無責任な赤ちゃんの父親。女は堕胎もできず、とりあえず産んだものの育てる自信はなかったという。そして赤ちゃんが生後12日を迎えたある日…。
アメリカ・テキサス州で起きた物悲しい事件の話題を、『KRIS-TV』『KII-TV』など地元メディアが報じている。
■車をいちいち呼び止める
事件は、テキサス州南部のコーパスクリスティという町で発生。20日午後10時半頃、赤ちゃんを抱いた女が公道をさまよい、車が走って来るといちいち呼び止めていたという。
ドライバーが窓を開けてくれると、何かを話し必死に食い下がる女。だがどのドライバーも激しく拒絶し、怒ったように車を発進させていた。
■赤ちゃんを腕にぶら下げて…
その様子を目撃したクラウディア・カナルズさんという女性ドライバーは、赤ちゃんの身の危険を感じて警察に通報した。
自らも女に声をかけてみたところ、女は薬物の影響下にあることは明白で、「この子をもらって」と赤ちゃんを押し付けてきた。まだ新生児の子供を「抱っこ」ではなく、腕に「ぶら下げて」いたという。
その後、現場に駆けつけた警察官は、育児放棄およびわが子の命を危険にさらした罪で、イェセニア・カルデナスという25歳の女を逮捕した。
■「この子を育てる気はない」
カルデナス容疑者は「父親はいないし、この子を育てる気はない。とにかく誰かにもらってほしい」と繰り返し、赤ちゃんは現在当局が保護している。
メディアの取材に、クラウディアさんは「二度と会えなくなるかもしれないのに、見ず知らずの人に赤ちゃんを託すなんて危険。悲しすぎます」「望まれぬ状況で誕生した赤ちゃんは、善良な里親の元で育つのが一番です」と話している。
■赤ちゃん避難所も
テキサス州にも「赤ちゃん避難所(セーフ・ヘイヴン法)」のシステムがある。生後60日以内の赤ちゃんに限定され、虐待などがないことを確かめるため、預かる場所は消防署、病院、救急医療ステーションのみとなる。
親がわが子を職員にしっかりと手渡すことも条件だが、あくまでも匿名でいい。にもかかわらず、そのシステムを利用せず危険な行為に出て逮捕される親は、いまだ少なくないという。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)