カナダの元凄腕スナイパーが深夜にウクライナ入り 「私が彼らを助けなければ」
ウクライナ入りしたカナダ人の元スナイパー。その卓越した狙撃の腕に期待が集まっている。
ロシアの軍事作戦により非常に苦しい状況に陥っているウクライナに、カナダの元凄腕スナイパーが入った。国境を越えポーランドに向かう避難民の流れに逆らい、深夜にその国境を越えたという。
カナダの国営放送局『カナダ放送協会(CBC)』やイギリスの『Mail Online』、アメリカの『NEW YORK POST』などが報じている。
■ゼレンスキー大統領の訴えに…
その元スナイパーは、40歳の白人男性。1週間ほど前、カナダのメディアによるインタビューに「私が彼らを助けなければならない」と話していた。アフガニスタン時代からの「ワリ」という呼び名は明かすも、本名その他の情報は完全に伏せられている。
ワリさんは、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が「力を貸してほしい」と広く海外に訴えかけている様子を見て、居ても立ってもいられなくなったという。
■経歴について
ワリさんはかつてカナダ陸軍の「王立第22連隊(ロイヤル22e連隊)」に所属し、イラクやアフガニスタンで卓越した狙撃の腕を発揮。2015年には、イスラム国(IS)と戦うクルド人勢力に外国人義勇兵として加わった経験を持つ。
近年はコンピュータ関連企業でプログラマーとして働いており、妻の反対を押し切ってウクライナ入りしていた。
「息子の1歳の誕生日を一緒に迎えることができず、それが一番つらいことでした」と話しているように、長期戦となれば家族をますます心配させることだろう。
■対戦車ミサイルを担当
カナダを離れ、ポーランドからウクライナ入りしたワリさんは、さっそく祖国に「現地の戦士たちは私を力強い握手やハグで歓迎してくれました」「まるで長年の友人みたいに、お互いすぐに打ち解けることができました」と報告している。
さらに、「1週間前はプログラミングの仕事をしていたというのに、今の私は兵器庫から対戦車ミサイルを手に取り、生きた人を殺しているのです」と戦場の過酷な現状を伝えている。
■「妻の祖国を守りたい」
ワリさんは3名のカナダ人元兵士と一緒にポーランドに向かい、現地入りした。少なくとも6人の元同僚がウクライナ入りしているという。
CBCによると、うち1名は顔や名前を出してのインタビューには応じられないとしたうえで、「かつて5年間ウクライナで過ごし、そのときに出会った女性と結婚して幼い娘がいます」と回答。はるか離れた妻の祖国を守るために立ち上がったそうだ。
ウクライナのために戦うとして現地入りした外国人は、現在約3万人とも伝えられている。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)