フランスの料理店が名物“プーティン”で脅迫受け声明文発表 「ロシア大統領と関係ない」
カナダ発祥のファストフード「プーティン」にクレーム続出。原因はあの大統領と名前が似ているから…?
カナダの代表的な料理である「プーティン」を、店の名前に冠したフランスの料理店。店名がロシアの大統領とは全くの無関係であることを明確にするために、多大な努力を強いられている。『Business Insider』『Dailymail』などの海外メディアが報じた。
■フランスにあるプーティンのお店
フランスにある料理店『ラ・メゾン・デ・ラ・プーティン』は先週、公式ツイッターにて声明文を発表。同店で提供される料理「プーティン」に対して「侮辱や脅迫の呼びかけが行われている」と告白した。
プーティンとはカナダのケベック州発祥のファストフードで、チーズとグレービーソースをまぶしたフライドポテトのことだ。
同店ではプーティンを看板料理としており、自家製のフライドポテトと秘伝のソースでハイクオリティな味が楽しめるほか、菜食主義者でも食べられるベジタリアンプーティンなども用意しているそうだ。
■大統領の名前と誤解?
そんな料理店に、最近になって脅迫のメッセージが数多く寄せられている。その理由には、ロシアによるウクライナ侵攻、そしてロシアのウラジーミル・プーチン大統領の名前が関係しているようだ。
そもそもプーティンのスペルは「Poutine」であり、プーチン大統領の「Putin」とは異なる。しかし響きが近いためか多くの人が誤解しており、「プーチンの名前を冠する料理を直ちに取り下げろ」と苦情を送っているという。
同店は声明の中でお店のロゴとウクライナの国旗をハートでつなぎ、料理の名前は「ロシアの指導者とは無関係であることを今一度思い出す必要があります」と、人々に冷静になるよう呼びかけている。
■「プーティン」の名称を捨てる店も…
ロシアのウクライナ侵攻に対しては、西側諸国の多くがロシアに対する金融制裁などを講じており、多くの国際的な企業がロシアとの関係を切ることを選択、あるいは余儀なくされている。
中でもプーティンの本場であるカナダのケベック州にあるレストランでは、侵攻に抗議するため同店舗から「プーティン」という言葉を削除し「フライドポテトチーズグレイビー」に変えることを決定したという。
■政治に振り回される料理名
政治的な諍いによって料理の名前が変更されるのは、これが初めてのことではない。
2003年のイラク戦争の折には、フランスの戦争不参加に腹を立てた米国民が英語でフライドポテトを意味する「フレンチフライ」を「フリーダムフライ」と言い換える運動が流行。議会の食堂からも、名前が撤去された。
「プーティン」と「プーチン」、2つの名前が似通ってしまったことは不幸な偶然だ。理不尽な攻撃に苦しむ料理店だけではなく、ウクライナの人々にも一日も早い平穏が訪れることを願うばかりだ。
■フランス料理店の声明文
— La Maison de la Poutine (@MaisonPoutine) March 3, 2022
・合わせて読みたい→プーチン大統領に「ウクライナから手を引け」 ロシアの芸術家ら2万人が署名
(文/Sirabee 編集部・びやじま)