反プーチンの動きが音楽業界でも活発化 人気アーティストのロシア公演が続々中止に
音楽をはじめ、芸術と政治はいつの時代も一緒に動く。切り離せないものなのだ。
■音楽界も打撃
ロシアのウクライナ侵攻に反対し、世界の複数の国でクラシック、オペラ、ロック、ジャズなど音楽業界も打撃を受け始めていることを、『POLITICO』『QUARTZ』『The Table Read』などが報じている。
ロシアの著名音楽家や人気ミュージシャンは海外で苦境に立たされ、一方、ロシア公演を予定していた海外ミュージシャンたちは、次々とキャンセルを決定しているという。
■有名ソプラノ歌手も降板
ロシア国籍でオペラ界のスターであるソプラノ歌手のアンナ・ネトレプコについて、ニューヨーク・メトロポリタン・オペラで予定されていた公演『トゥーランドット』『ドン・カルロ』からの降板が決定したことが報じられた。
彼女はプーチ大統領の選挙運動を支援していた立場であり、ウクライナ侵攻については批判するも、プーチン大統領を名指しで批判しないことに反発が高まっていた。ドイツ・ハンブルクでも、9月まで決定していたオペラ公演で降板が決まったばかりだった。
■公演は軒並み中止に
一方、ロシアで公演を行う海外アーティストにおいても、反戦や反プーチンの動きは活発化している。
『QUARTZ』によれば、アメリカのイギー・ポップ、グリーン・デイ、イマジン・ドラゴンズ、オーストラリアのニック・ケイブ、イギリスのエリック・クラプトンなど、チケットが販売済みのものも含め、10月22日までにモスクワやサンクトペテルブルクで予定していたコンサートの7割ほどが、キャンセルされた模様だ。
SNSに「今のロシアで楽しく演奏できる気がしない」「ウクライナ侵攻の犠牲者に哀悼の意を捧げるのみだ」などとつづるアーティストは多い。
■芸術と政治は切り離せない
公演のキャンセルや降板は、ロシアに対する経済制裁の一環として、あるいは世論や人道的見地から決定されているが、本人たちに及ぶ経済的ダメージも計り知れないと見られている。
音楽をはじめ、芸術と政治はいつの時代も一緒に動く。このことを今、世界の人々が改めて痛感させられていると言えそうだ。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)