4歳男児が20代実父の虐待で餓死 空腹の訴えに消毒用アルコールを飲ませる
容疑者が撮影した動画には、バスルームの床でパンの粉をかき集めて食べる男児の姿が…。
アメリカのテキサス州で、4歳のじつの息子を虐待の末に死なせていた20代の父親が逮捕された。満足な食べ物を与えてもらえなかった息子が最後に口にしたものは、なんと消毒用アルコールだったと地元メディアの『KSAT-TV』『Fox News/San Antonio』などが報じている。
■「虐待ではなく自傷行為」
テキサス州サンアントニオの小児病院に2021年8月中旬、ベンジャミン・セルベラくんという4歳の男児が意識のない状態で運び込まれ、ほどなく死亡が確認された。
体のあちこちにできた傷やアザについて尋ねられると、ブランドン容疑者は「自傷行為を繰り返していた」と説明したが、痩せ細った体に栄養失調と虐待を疑った医師は、警察に通報。司法解剖でも自傷行為ではないと判断され、捜査がスタートした。
■空腹を訴えると…
今月24日、サンアントニオ警察はついに父親のブランドン・セルベラ(28)を逮捕したと発表。裁判所に提出された宣誓供述書には、ベンジャミンくんが置かれたあまりにも過酷な状況が細かく記された。
空腹を訴えて泣くわが子に、ブランドン容疑者が消毒用アルコールを飲ませた直後に体調が急変したこと、亡くなる前の数ヶ月間には、オムツ姿で尿まみれのマットレスのみ置かれた部屋に監禁され、キッチンの冷蔵庫や食料品が入ったキャビネットは、すべて鍵がかけられていたなどとある。
■息子のあわれな姿を録画
同容疑者は室内の様子をたびたび携帯電話で録画していた。ベンジャミンくんは目元を腫らし、傷だらけの体で、パン欲しさに自分の頭を手で繰り返し叩いて見せ、食べ物をもらえないとわかると震えながら激しく泣いている。
また、水を求めて消毒用アルコールを飲まされ、「口のなかをやけどした」と言って泣き、バスルームの床にばらまかれたパンの粉をかき集めて食べている。ベクサー郡検察当局は、それらの動画が虐待の動かぬ証拠だとしている。
■親類の1名も犯行に加担か
保釈保証金は50万ドル(日本円にして約5,700万円)と設定され、ブランドン容疑者の身柄はベクサー郡の拘置所へと送られた。予備審問は3月29日に予定されている。
なお、事件が起きたアパートには同容疑者の親類にあたる1名も一緒に暮らしていた。
虐待の事実を把握していたにもかかわらず、ベンジャミンくんを助けるどころか加担していた疑いがあるとして、証拠が固まり次第そちらも逮捕・起訴される模様だ。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)