騒がしい隣人にリベンジする特殊スピーカー 売り上げ好調は社会背景も要因か
「自宅では静かに過ごしたい」 そう求めるのは疲れている現代人ならでは…?
子供の走り回る音や大きな声、椅子を引きずる音、壁への衝撃やDIYの音など、日常生活のなかで隣人の生活音にいらいらさせられる機会は多い。
このたび韓国の企業が「リベンジ・スピーカー」なる物を開発し、好調な売り上げを見せているという。『Oddity Central』や『TECHBLOG』などが報じている。
■隣人の放つ騒音がストレス
マンションやアパートに住んでいれば、必ず耳に入ってくる隣人の生活音。「お互いさま」と許せるものがほとんどだが、深夜の騒音や、子供がギャンギャン騒ぐ声や繰り返される大きな音など、常識の範囲を超えてしまうとトラブルに発展することもある。
そこで韓国では数年前、「隣人が発した騒音や生活音をそのままお返ししてやろう」というコンセプトのスピーカーが誕生。売り上げは順調な右肩上がりをみせているという。
■お値段は約17,000円
その商品名は、ずばり「リベンジ・スピーカー」。大声や足音がそのまま隣人の部屋に跳ね返ってくるもので、出力は非常にパワフル。ウーハースピーカーの上に小銭を置いてみると、派手にバウンドして振り落とされるほどだ。
スピーカーはデザイン、出力、接続方法、音のオプションなど機能のバリエーションも豊かで、価格は日本円にして1台約17,000円前後。リベンジしたい相手が上の階であれば天井に、隣りであればそちらに接する壁に設置する。
購入者は主に、隣の騒音で子供が勉強に集中できずにいる家庭や、ストレスがたまっている社会人だという。
■購入者はほぼ満足するも…
オンライン・ショッピングでは、その商品レビューを確認できる。「効果てきめんだった」「少し高いけれど、値段以上の価値があります」など、買ってよかったというコメントが多く書き込まれているようだ。
しかし、この流れに警察は眉をひそめている。「音を音でリベンジすることは違法ではないが、文明人ならやはり対話で解決することが望ましい」「手っ取り早い解決方法にも見えるが、さらなるトラブルに発展しかねない」として、安易な購入に注意を呼びかけている。
■自宅では静寂が必要?
大変な学歴社会である韓国では、日本以上に受験戦争の意識が強い。遅刻しそうな生徒を、親切なパトカーや白バイが受験会場に送り届けるシーンは有名だ。
また、人気韓流ドラマ『スカイ・キャッスル』にも描かれている、受験生の生活、成績、部活動、大会受賞歴やボランティア活動など、全てをパーフェクトなものにするため、高額な報酬で「入試コーディネーター」が雇われるという話は実際にあるそうだ。
そういった背景もあり、自宅はあくまでも静寂な場所であることが韓国では重要視されているのかもしれない。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)