飛行中の機内で男がナイフを手に大暴れ 客室乗務員が立ち向かい流血の惨事に
飛行機の安全な運航を脅かす者に対しては、厳しい処罰が求められている。
このたびアメリカの上空を飛行中の旅客機内で、男がナイフを手に暴れるという事件を起こした。しかし客室乗務員はその暴挙を許さなかった。
男は流血し、とんだ逮捕劇になったことを、『USA TODAY』やオーストラリアの『7 NEWS.com.au』が報じている。
■ナイフを手にした男
事件は13日、カリフォルニア州のロサンゼルス国際空港から飛び立ち、バージニア州にあるロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル空港に向け、順調に飛行していたアメリカン航空のAA1775便で起きた。
1人の男が突如、機内食で使用するプラスチック製ナイフを手に、コックピットの手前までやって来たのが始まりだった。
■コーヒーポットを武器に
男はギャレーに置いてあったシャンパンボトルを取り上げると、カウンターで叩き割り、食事を運ぶカートを客室乗務員がいるほうへと押しやった。さらに非常出口のドアを開けようとハンドルを強く動かし始めたが、男性の乗務員がそれに立ち向かった。
添乗員がコーヒーポットを握りしめて頭部を何度も殴打すると、男はその場に倒れこんで流血。さらに他の乗務員が結束バンドとダクトテープを手に現れ、乗客も手伝い、男の体を拘束した。
■FBIに連行
この飛行機はその後、最寄りのミズーリ州のカンザス・シティ国際空港に緊急着陸。待機していた空港警察およびFBIの職員が同機に乗り込み、男は連行された。
アメリカン航空はこの事件について、「お客様の安全のため、最大限のスキルとプロ意識を持って状況に対応した乗務員、そして男の身柄確保のため支援してくださったお客様に、感謝しています」との声明を発表した。
■詳細は現在も調査中
事件を起こした男の名は、フアン・レンベルト・リバス容疑者(50)。飛行機の安全な運航を阻害する行為、客室乗務員に対する暴行、脅迫などにつき正式に起訴された。
また全米の客室乗務員が所属するAssociation of Flight Attendants(フライトアテンダント協会)も、ツイッターを通じて「暴力的な行為は断固止めなければなりません」「違反者が適切に処分されるよう、今後ともカスタマー・サービス、米国運輸省、連邦航空局(FAA)や議会などに協力してまいります」とコメントした。
なお、事件の詳細やリバス容疑者に関しては現在もFBIが調査中だ。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)