寄宿学校で女子生徒13人に性的暴行し8人が妊娠 30代校長に終身刑下る
被告は校長。貧困家庭に向け奨学金や特待生制度を提供し、その子供たちを自分の学校に入学させていた。
インドネシアの寄宿学校で、複数の女子生徒にみだらな行為を働き、妊娠すらさせていた校長。一連の事件の裁判がこのほど結審し、この男には終身刑が言い渡された。『Channel News Asia』『NDTV』ほか、アジアの複数のメディアが伝えている。
■被害者は11~16歳の女子生徒
一連の未成年者性的暴行事件は、インドネシア・西ジャワ州の州都バンドン市にある、イスラム系寄宿学校(プサントレン)を舞台に起きた。
被告はその学校の所有者で、宗教教育を担当する教師でもあったヘリー・ウィラワン(36)。開校した2016年以来、教え子である女子生徒に性的暴行を働いており、当時11歳から16歳まで、少なくとも13人の被害が確認されている。
■携帯電話もダメ帰省は年1回
数年の間にこれだけの性的暴行事件が起きていたにもかかわらず、警察が事実を把握したのは昨年5月のこと。ある保護者が娘の妊娠に気づき、ウィラワン被告の数々の犯行を知って警察に通報したのだった。
生徒たちが実家に帰ることを許されるのは、年にたった一度。携帯電話も没収され、家族と連絡を取り合うことを常に禁じていたこともわかったという。
■8人が妊娠も「去勢」はなし
ウィラワン被告は、貧困家庭に向け奨学金や特待生度を提供して信頼を集め、多くの子供たちを自分の学校に入学させていた。その裏で被害者の13人のうち8人を妊娠させ、子供が計9人誕生している。
西ジャワ州検察当局は一貫して死刑がふさわしいと訴え続けたが、15日、バンドン地方裁判所の判事は同被告に終身刑を言い渡した。近年、性犯罪者に化学的去勢を施す動きが海外で強まっているが、その要望も却下している。
■「わが子の成長を見守りたい」
被告は法廷で「私も父親としてわが子の成長を見守りたい。そのためにも寛大な判決を」と訴え、それで死刑を免れたと見る向きもある。
これに対し、世間からは「被害者が心身に負った深い傷を一番に考えるべき」「刑罰が甘いと性犯罪者が増えるだけ」といった失望の声が上がっている。
なお、この事件についてはインドネシアのジョコ・ウィドド大統領も憤りをあらわにし、「被害者に対し、国からも1人あたり最大68万円ほどの賠償金を支払うつもりだ」と表明していた。
・合わせて読みたい→錦織圭選手も輩出の有名アスリート育成校で発覚 子持ち女教師が生徒とビーチで性行為
(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)