美術館の絵画に警備員がいたずら書き 「暇すぎて…」あきれた釈明で解雇へ
暇を持て余し、展示品にいたずら書きした美術館の警備員。勤務初日に行為に及び…。
美術館に飾られているのは、どれも貴重で価値のある芸術作品ばかり。そこにいたずら書きをするなど、決して許されないことだ。このたびロシアで、なんと警備員がそれを行い、解雇された。アメリカの『Newsweek』や『NEW YORK POST』が報じている。
■いたずら書きを発見
事件は昨年12月、スヴェルドロフスク州エカテリンブルク市の有名な観光スポットのひとつ、「ボリス・エリツィン大統領センター」の美術品展示コーナーで起こった。
モスクワにあるトレチャコフ美術館からこのセンターに貸し出されていた絵画の1枚に、いたずら書きがされているのが発見されたのだ。
■顔に「目」が…
被害に遭ったのは、ロシアで活動していた画家アンナ・レポルスカヤによって描かれた作品で、1932~1934年の間に制作された『3人の人物(Three Figures)』という絵画。
顔が描かれていない3人の人物のうち、2人の顔に小さな黒い点が2つ付けられていることを訪れた人が発見し、「落書きされている」とスタッフに伝えて事態が発覚したという。
■約1億6,000万円の価値
この絵画の価値は日本円で約1億6,000万円と見られており、センター側は「加害者の特定および事件の捜索を」と願い出るも、予想外にロシア内務省は「取るに足らないことだ」と一蹴した。
しかし、これに文化省が反発。彼らが検察庁に通報して捜索が開始され、数日前には同センターに勤めていた60歳の男の警備員が容疑者として特定された。事件を起こした日が勤務の初日であったこともわかった。
■「暇すぎた」と容疑者
警備員はただちに解雇され、文化財保護法に反する器物損壊罪により逮捕・起訴された。「暇でしかたなく、つい落書きしてしまった」などと話しているが、詳しい動機はまだ明らかになっていない。
裁判で有罪判決を受けた場合、警備員には罰金および最大で懲役3ヶ月の実刑判決が下る可能性があるという。なお、『3人の人物』は約1億1,400万円の保険がかけられており、修繕費は約40万円と見積もられている。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)