一卵性双生児の兄弟が犯した罪で投獄された男性 約20年ぶりに自由の身に
双子の兄弟が罪を自白するも、認められず…。身に覚えのない銃撃事件に、人生を奪われてしまった男性がいる。
自身が関与していなかった事件の冤罪で、20年近くを刑務所で過ごしていた男性が、彼の双子の兄弟の自白によって釈放されたという。『NBC News』『NDTV』などの海外メディアが報じている。
■無実の罪で20年
アメリカ・シカゴに住んでいたケビン・デュガーさんは、2003年に起きたギャング同士の銃撃事件の罪に問われ、それ以来イリノイ州クック郡の刑務所に服役していた。
しかしケビンさんにはカール・スミスという名の一卵性の双子の兄弟がおり、そちらが銃撃事件に関与していたことを自白したため、じつに20年近い時を経て釈放されることとなった。
■ギャング同士の抗争
ケビンさんとカール容疑者の兄弟は幼い時から常に行動をともにしており、20代の頃はギャングの一員として麻薬の密売に手を染め、そこでも「ツイン」の二つ名で呼ばれるほど関係が深かったという。
しかしある時、ライバルのギャングとの抗争で1人が射殺され、またもう1人が負傷する事件が発生すると、警察は容疑者としてケビンさんを逮捕した。
身に覚えのなかったケビンさんが助けを求めるも、カール容疑者は事件に関わるすべてを否認。懲役短縮のための司法取引を拒否したケビンさんは、そのまま54年の刑期を刑務所で過ごすことになってしまった。
■自白が信用されず10年
一方のカール容疑者は別件の強盗事件によりすでに99年の刑で服役中であり、ケビンさんの無実については2013年の時点で告白していたにも関わらず、釈放までは10年近い月日を要した。
その理由は裁判官がカール容疑者の自白を認めてこなかったためであり、昨年4月に別の裁判官のもとで新たに裁判を行うことが認められた結果、ケビンさんは今年1月に晴れて自由の身となった。
■双子ゆえの難しさ
この件に関しネット上では、「どうして10年間も自白が認められなかったのか」「彼の弁護士は何をしてたんだ」と、無実の罪を着せられたケビンさんに対する同情的なコメントが相次いだ。
また世界中で起きている一卵性双生児の未解決事件があげられ、双子のどちらかが事件を起こした場合の罪の立証の難しさについても、議論が交わされている。
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(文/Sirabee 編集部・びやじま)