勤務中にポケモン捕獲に熱中した警察官 応援要請の無線を無視して解雇に
仕事をサボりゲームに没頭…。同僚や上司はふたりを強く非難している。
ゲームに夢中になっていた警察官が、緊急の応援要請を無視。数日前、この許しがたい事態について裁判が始まったことを、アメリカの『NBC News』や『The New York Times』などが報じている。
■パトロール中にゲーム
アメリカ・カリフォルニア州で2017年4月、ロサンゼルス警察署に勤務していたルイス・ロザノとエリック・ミッチェルの2名が、解雇処分となった。
理由はゲーム。ふたりはロサンゼルス市内を車でパトロールするなか、人気ゲーム『ポケモンGO』の話題で盛り上がり、その場でプレイし始めたという。
■強盗事件が発生するも…
そのとき、パトカーの無線に「ショッピングモールで強盗が発生。付近の車はただちに向かってください」と、応援を要請する緊急連絡が入った。
パトカーは、事件が発生したロサンゼルス南西部の『メイシーズ』から遠くない位置を走っていたが、ふたりは緊急の応援要請を無視。聞かなかったふりをして、そのままポケモンを捕まえることに夢中になっていた。
■上司が車内ビデオを確認
その後、このふたりに関する内部告発があり、パトロール隊を監督するホセ・ゴメス巡査部長が調査を開始。問い詰められたふたりは、当初は「付近が騒がしく、応援要請の無線に気づかなかった」と答えていた。
そこで巡査部長は、パトカー車内に備え付けられたビデオの映像を確認。すると、ふたりがパトカーで市内を巡回しながらゲームのキャラクターであるカビゴンやトゲチックを捕獲し、興奮する様子がしっかりと収められていたという。
■6件の罪で起訴
ついに罪を認めたロザノとミッチェルの両被告は、懲戒免職となったほか、公務員法違反を中心に6件の罪で起訴された。緊急無線連絡に応答しなかったこと、パトロール中にゲームをプレイしたこと、調査に対して嘘をついたことのみ、容疑を認めているという。
彼らの懲戒免職を決定した警察委員会の役員は、「不誠実きわまりない。国民の信頼を失う非常に恥ずべき行為だ」と強く非難している。
■両被告は反論
ただし被告の2名は、弁護士もつけずに上司に返答を強要され、否認や黙秘をする権利が認められなかったこと、さらにパトカー内の私的な会話を無断で録画し、それを法廷で明らかにすることは違法だと主張している。
一方、警察委員会は「悪質な違法行為の証拠がそこにある場合は、たとえ私的な会話や映像であっても、懲戒免職として調査の対象になる」と指摘。裁判所はその主張を認めているという。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)