兄の“身分違いの駆け落ち婚”に弟が自殺 相手女性の家族からの罵倒に耐えきれず
上位カーストの女性と駆け落ちした兄に対する非難に耐えきれず、自殺した弟。年末のインドで起こった悲劇とは…。
身分が格上の女性と大恋愛し、親族からの反対は不可避だとして、彼女と駆け落ちしてしまったインドのある男性。それが原因で彼の実家でとんだ悲劇が起きてしまったことを、『24HTECH ASIA』『Times Now News』など海外のメディアが報じている。
■弟が服毒自殺
ウッタルプラデーシュ州バレーリー市のビシャラトガンジ地区で12月30日、陶芸家のプラモド・クマールさんという21歳の男性が服毒自殺を図り、死亡した。
プラモドさんの兄は最近、上位カーストに属する19歳の女性と駆け落ち婚をとげていた。その掟破りの行為について、本人に代わり実家の家族がひたすら責められていたことがわかっている。
■「娘に近づくな」警告を無視
プラモドさんの父親であるチャトラパル・クマールさんは、2015年に病死。母親はその後、3人の息子を必死に育ててきたが、兄のカマルさんは身分違いの女性との許されぬ恋に溺れていった。
一方、女性の両親は娘が下位カーストの男と熱愛していると知り、度々カマルさんに「娘にこれ以上近づけくな」と警告していたという。
■平手打ちと恫喝に怯え…
カップルは12月29日に駆け落ちし、それを知った女性の両親は激怒。親類を伴ってカマルさんの実家に押し入った。
母親とカマルさんの兄弟を何度も平手打ちしながら、「24時間以内にふたりをここに呼び戻せ」「カマルのことは警察に通報した。誘拐犯として捕まるはずだ」と恫喝(どうかつ)。プラモドさんは完全に打ちのめされた様子だったという。
■「名誉殺人」が起きるケースも
インドのカースト制度は上から順に、バラモン(司祭・僧侶)・クシャトリア(王侯・軍人)・ヴァイシャ(商人・平民)・シュードラ(隷属)となる。それぞれの身分を越えて結婚しようとすると、親族からの嫌がらせは必至であり、最悪の場合はいわゆる「名誉殺人」が起きることがある。
忌々しい制度だと言われながら、なかなかなくならないカースト。格上の女性と駆け落ちすれば実家の家族に何が起きるのか、そこまで考える思慮深さがカマルさんにあったなら、このたびのような悲劇的な展開は防げたのだろう。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)