男性モデルが著名写真家からの性暴行被害を激白 「屈辱的でも新人は耐えるだけ」

写真家によるセクハラ被害を、所属のモデル・エージェンシーに訴えた男性。しかし聞こえぬふりをされたという。

2021/12/27 19:10

カメラマン・撮影・スタジオ

「自分に逆らえば次の仕事は来ないと思え」。そんな圧力のなか、ショービジネスの世界でかなり以前から横行していたという性行為の強要や虐待。

「#MeToo」運動の大きなムーブメントを巻き起こしたのは美しいハリウッド女優たちだが、男性モデルの被害も無視できないことを、『Yahoo!/Life』や『NEW YORK POST』などが報じている。


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■モデルはきっぱりと辞める

このほど、元ファッションモデルのバレット・ポールさん(33)が『Yahoo!/Life』のインタビューに応じた。彼はかつては雑誌などで鍛え抜かれたボディを披露していたが、すでにショービズの世界からは遠ざかり、現在はライフコーチングとして身を立てている。

自身のセクシュアリティについて悩む人たちの相談に乗り、仕事や家庭での人間関係が少しでもポジティブなものになるよう手助けをしているそうだ。

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■新人で抵抗できず…

ポールさんはまだ10代だった2007年11月、モデルとしてのデビュー作品で、著名な商業写真家のリック・デイ氏(現在59)と一緒に仕事をした。

デイ氏は撮影中、ポールさんに裸になりエロティックなポーズをとるよう促し、男性のヌードカレンダー『Rick Day NYC/Castings』に参加しないかと持ち掛けた。それが自慰行為や顔への射精にまで発展し、とんでもない体験をさせられたと今なお激怒している。

当時はニューヨーク大学の学生で、人気もお金もなく「実力者には逆らえない」と我慢したポールさん。学生寮に戻るとただ泣いていたという。

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■権力と強い立場を悪用

ポールさんは2018年、モデル業界のセクハラまみれの実態を暴露する動画をYouTubeに投稿。すると、同様の被害を経験していた別の男性モデル3名も立ち上がり、ポールさんを含む4名がデイ氏を正式に起訴するに至った。

デイ氏は、股間を触れられ体や表情をこわばらせる彼らに「大丈夫だよ。リラックスしなさい」と優しく声をかけた。だが抵抗すれば、「私に盾突けばお金が入らないよ」「私は君のこの恥ずかしい写真をどうにでもできるんだよ」などと脅してきたという。


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■新人へのセクハラは黙認

ショービズ界に激震が走った「#MeToo」の問題も、被害者は女性だけではない。アメリカでは、男性の6人に1人が性的虐待または暴行を受けているとの報告もあるそうだ。

ポールさんたち原告は、それぞれがメディアのインタビューで、写真家や監督などが強い立場を悪用して若い男性モデルに性的暴行・虐待を働くことを強く批判している。

また被害を所属のモデル・エージェンシーに訴えても相手にされないことがほとんどだとして、「世間にこの業界の真実を知ってほしい。被害者は勇気を出して声を上げる時代だ」などと訴えている。

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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ

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