夫を病から救うため親戚の赤ちゃんを生贄に 呪術師の勧めで女が人身供養を実行
むごたらしい生贄の儀式。このようなことがいまだに行われているとは…。
困難な問題を解決しよう、病を克服しようなどとして、「人身御供」という人道上で決して許されない生贄の儀式が行われることがある。インドでまたしてもそんな悲劇が起きていたことを、『India Today』『Times Now News』などが報じた。
■深夜に誘拐された赤ちゃん
インド・タミルナードゥ州のタンジャヴル地区で14日深夜、ハジャラちゃんという生後6ヶ月の女の赤ちゃんが、自宅から忽然と姿を消した。
娘を探し回った父親のシャリハさん(24)と母親のナズルディンさん(32)は、その後に「おばの様子がおかしい。娘を誘拐し殺した可能性が高い」と警察に相談。警察はこれに続き、地元のある墓地で、15日に幼い女の子の遺体が土葬されたという情報を入手した。
■警察に呪術師の情報が入る
墓地に向かった警察の職員は亡骸を掘り起こし、それがハジャラちゃんのものであることを確認。両親の通報内容に従い、ナズルディンさんのおばであるシャルミラ・ベグム(48)を事件の重要参考人と特定した。
警察はそれと並行し、同州プドゥッコーッタイ県に暮らすある人物から気になる通報を受けていた。呪術師としてその地域で活動する、ムハンメド・サリームというイスラム教徒の男の元に1人の女が相談に来て、「人身御供を」と勧められていたというのだ。
■最初はヤギとニワトリを
警察はその女がシャルミラであったことを突き止めると、ハジャラちゃん殺害の疑いで逮捕した。事情聴取に対してシャルミラ容疑者は、夫が重病に冒されたため呪術師のサーリムを頼ったことを認めた。
そして「最初はヤギとニワトリを生贄にするよう言われ、試したが夫の病気が治らなかった。すると、次は幼い女の子の命を差し出すようにと言われた」と供述している。
生贄には血を流させないようにと注意を受け、水槽での溺死を考えたという。警察は他にも同容疑者の夫アサルディーン(50)と呪術師のサーリムを逮捕している。
■日本にも「人柱」の歴史
アフリカでは豊作祈願や葬儀において、またメキシコでは太陽神のために人身御供の儀式があった。大変恐ろしい儀式だが、ペルー、エジプト、イラン、中国、ギリシャやローマなど、大きな文明を発展させた国々では共通して特に盛んに行われていたという。
日本でも、時おり「人柱」という言葉が使われることがある。かつてこの国でも、城、橋、堤防などの無事完成を祈願する際、神へのお供え(生贄)として人を土中や水底に埋めていたといわれ、各地の神社にそれを示す祭式が残されている。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)