人違いで裸のまま手錠をかけられた女性 誤認逮捕の警察は3億円超の慰謝料支払い

女性の警察との闘いは、警官が制服に装着していたボディカメラの映像開示要求から始まった。

2021/12/22 06:30

手錠

アメリカ・イリノイ州で2019年に起きた、警察の人違いによる女性への誤認逮捕。女性がひどく怯えるなか、裸のまま手錠をかけられる様子をメディアが証拠映像として公開すると、同情の声が相次いだ。

その女性に対し、破格の慰謝料であり和解金が支払われる模様だ。『NBC News』『CBS News』『NEW YORK TIMES』ほか、全米のメディアが続々と報じている。


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■ノックなしで女性宅を急襲

2019年2月21日の夜、アメリカ・イリノイ州のシカゴ市でシカゴ市警察が容疑者宅と勘違いしたことにより、ある女性のアパートでとんでもない誤認逮捕が起きた。

捜査令状を持った主に白人の12人の男性警察官が、医療系ソーシャルワーカーであるアンジャネット・ヤングさん(現在51歳)宅を急襲。部屋の扉を蹴破り侵入した際、ヤングさんはリビングで裸でくつろいでいた。

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■裸のまま背中で手錠を

容疑者の男をかくまっていると疑われたヤングさんは、ひどく怯えながらも強く否定したが、裸のまま手錠をかけられた。毛布をかけた警察官もいたが、腕を背中に回しているため肩から滑り落ち、女性警察官が到着してやっと別室で服を着ることができたという。

ヤングさんは「この粗末な扱いは私が黒人だから。若い白人女性なら違ったと思う」と、警察を痛烈に批判している。

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■弁護士を雇い提訴

ほどなく、容疑者は4年前までアパートの違う部屋に暮らしていた者だと判明。ヤングさんは釈放されたが、うつ病と心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症し、失職した。

ヤングさんは弁護士を雇い、ひどい人権侵害の行為が多々あったとしてシカゴ市と市警を提訴。警察官が胸元に装着しているボディカメラの映像を、開示するよう強く要求した。

地元メディアの『WBBM-TV』が裸体を塗りつぶしてその映像を公開すると、市警および市長はやっとヤングさんに謝罪した。


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■破格の慰謝料と今後の活動

このほどシカゴ市議会は、290万ドル(約3億3,000万円)の慰謝料を女性に支払うことを承認。和解に向け、大きな前進となる様子だ。

一方のヤングさんは今、警察官が玄関の扉を蹴破って急襲する「ノックなし令状(無断家宅捜索令状)」や、銃を子供に向けることを禁じる条例の制定を求め、活動を行っている。

たとえばケンタッキー州ルイビル市では、2020年3月に容疑者と間違われた黒人女性のブレオナ・テイラーさんが、警察の急襲に抵抗し射殺されていた。ルイビル市議会はその後、ノックなし令状を禁じる「ブレオナ法」と名付けた条例を制定している。

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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ

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