ミス・ユニバース世界大会の民族衣装に強いメッセージ 日本代表へは残念な評価も
個性やメッセージ性が強調される近年のミス・ユニバース。だが過度なものは批判されることも…?
このたび、ミス・ユニバース世界大会の民族衣装ショーが開催された。各国の伝統やカラーを強調しつつも、社会問題へのメッセージが込められた衣装に身を包み、話題を呼んでいる。シンガポールの『AsiaOne』など海外メディアが報じた。
■解けていく氷河を表現
10日、イスラエル最南端のエイラート市で、ミス・ユニバース世界大会の民族衣装ショー(National Costume Show)が開催された。
そのなかで特に話題を呼んだのは、アルゼンチン代表のジュリエタ・ガルシアさん。肌色のボディスーツの上に、美しいが解けつつある氷河を表現した、透明のステートメントピースを着用した。
彼女はそこで「地球は私たちのものではなく、私たちはそこに住んでいるだけです。私たちが団結し、行動を起こさないと環境はさらに悪化します」と、近年ますます深刻化する地球温暖化の問題を訴えた。
■血の手形を再現
またカリブ海に位置する島国・キュラソー代表に選ばれたシャリエンジェラ・シジュンジェさんは、赤地に無数の宝石をちりばめたデザインのドレスを着用。
赤いアナサンゴモドキを表現しており、気候変動によって、地元の海をはじめ世界的にも破壊がひどいサンゴ礁を示した。
エルサルバドル代表のアレハンドラ・ガヴィディアさんも、赤いドレスに身を包んだ。近年、同国では経済情勢の悪化から殺人、誘拐、失踪などが相次いでおり、「愛する家族を失った人々のため祈りを込めて」と、ドレスの至る所に赤いインクで遺族の手形を再現した。
■「医療従事者の賃金アップを」
アイスランド代表のエリサ・ステインポースドッティールさんは、今年に入り6ヶ月にわたり噴火を続けているファグラダルスフィヤル山に畏敬の念を示し、山からあふれ出るマグマを手描きで制作。ドレスは完全なリサイクル素材で作られた。
そしてアイルランド代表のキャサリン・ウォーカーさんは、ここ2年にわたり、新型コロナウイルス感染症から患者を救おうと闘う医療従事者たちを称えた。
自身も看護師であり、「すべての医療従事者はヒーロー」「同一労働・同一賃金」と書かれた衣装を身にまとい、全世界の医療従事者の賃金アップを訴えた。
■伝統文化を侮辱か
日本代表の渡邉珠理さんは、ショッキングピンクの髪をお団子にまとめ、ベビーピンクの着物風ドレスを着用した。「カワイイ」を世界に発信する原宿ファッションと着物の融合だが、評判はイマイチ。
「伝統文化を屈辱」「これが日本の伝統だと海外から勘違いされたくない」といった辛口コメントが相次いだ。
大きくはだけた胸元に油性ペンで「日本」と書いたことはともかく、死に装束である「左前」で着ていることと、皇室の菊花紋章をベルトにあしらったことなども、批判を呼んだ要因のようだ。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)