「息子は自殺ではなく私が殺害」 苦悩した40代母親が事件1年後に自首

すっかり一家のトラブルの種となっていた息子は、ある日、自分の妹を暴行しようとした。

2021/12/09 07:00

悩む・悩み・苦悩・女性・困る・絶望

悪い仲間と付き合うようになり、道を踏み外してしまった息子は、次第に家族に危害をもたらす存在になっていった。母親は、息子からほかの家族を守ろうと必死だったという。

インドのある家庭で起きた悲劇的な事件の話題を、『India Today』『Times Now News』などが報じている。


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■「自殺ではありません」

インド・ケーララ州ティルバナンタプーラムのヴィジンジャム警察署に、このほど出頭したナディラという43歳の女。彼女はそこで、1年前に身内を殺害していたことを認めた。

「2020年9月20日に当時20歳の息子を亡くしましたが、あれは自殺ではありません。疑われていた通り、私が殺したのです」と告げたという。

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■母子家庭のなかで息子は…

ナディラは警察の事情聴取のなかで、ひとり親として自分が一男一女を養っていたこと、息子が事件の少し前からドラッグを使用するようになり、仕事もせず言動が粗暴になっていたことなどを説明した。

すっかり一家のトラブルの種となっていた息子はある日、自分の妹を暴行しようとし、ナディラは衝動的にその首を絞めてしまったという。

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■嗅ぎまわっていた警察

当時、自宅に現れた警察にナディラは「自殺だと思います」と話し、妹もそれに同意。警察が帰ると、あっという間に遺体を荼毘に付していた。

ところが警察は、遺体の首にあった傷を理由に事件性を疑い、捜査の開始を意味する「第一情報報告書(First Information Report: 略称FIR)」を作成。水面下で情報や証言を収集するようになった。

インドでは、妙に早く火葬が行われた遺体について、事件が発覚することがままあるという。


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■家族の誰もが不幸に…

警察の動きにひたすら不安な日々を過ごすなか、いつか正直に自白しようと決意していたナディラ。ただし、暴行の被害にあいそうになった本人なら正当防衛が認められても、別の家族が手を下せば、多くの場合それは認められない。

殺人や偽証の容疑で起訴されたナディラは、おそらく実刑判決を受け刑務所へと送られるだろう。誰もいなくなった自宅で、娘は孤独と闘っていくことが予想されている。

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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ

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