追突事故でトレーラーが乗用車に乗り上げ ドライバーは奇跡的に軽傷のみ
事故処理にあたった警察官は、「この仕事をして14年、そのような奇跡的な光景は見たことがない」とコメントした。
アメリカ・ワシントン州のある高速道路で16日午前、大型のセミトレーラーが1台のセダン車に追突し、その勢いで車の屋根に乗り上げてしまった。
つぶされた乗用車に、現場にいた人たちは誰もが最悪の事態を想像したが…。警察官が「奇跡が起きた」とツイートし、世界のメディアが続々と紹介している。
■勢いあまって車体の上に
事故が起きたのは、ワシントン州スカジット郡のマウントバーノン市を走る州間高速道路5号線。大型のセミトレーラーが赤い乗用車に追突し、さらに乗用車の屋根に乗り上げる形で停止した。
トラックの運転手も駆け付けた警察官も、無残にもぺしゃんこになってしまった乗用車に、ドライバーの死を予想したという。
■車高が半分までつぶれる
しかしその予想は、いい意味で裏切られた。現場で事故処理にあたったワシントン州警察・第7パトロール区のロッキー・オリファントさんは17日、その状況をツイッターに投稿。
「追突事故のすさまじさには、言葉を失いました。乗用車は車高が半分になってしまいましたが、ドライバーはなんと軽傷で済んだのです」とつづっている。
なお、乗用車に同乗者はいなかった。州間高速道路5号線のスカジット・リバー付近は、事故処理のため南方向・北方向いずれも閉鎖されていたが、すでに開通しているという。
■自力で車外に出た女性
オリファントさんによれば、レッカー車がトレーラーのセミトラックと呼ばれるフロント部分を持ち上げたところ、運転していた女性はなんと自力で車外に出てきたそうだ。
それがいかに奇跡的なことか、オリファントさんは「私はこの仕事をして14年になりますが、そのような光景は見たことがありませんでした」とツイートしている。また女性が乗っていた車の頑丈さに注目が集まると、「車種はニッサンのアルティマです」と明かされた。
■注意すべきは2点
オリファントさんはこの事故に絡め、州民に向け2点大きく注意している。
1点目は、事故の原因。セミトレーラーは前の車との間に十分な車間距離をとっていなかったといい、超大型車はブレーキがききづらいことを十分認識するべきだとしている。
2点目は、事故車の脇を通過する他の車たちが、携帯電話で撮影しようとトロトロ運転になり、大変な渋滞を生んだこと。
走行中の携帯電話の使用は、500ドル(日本円で約5万7,000円)のキップを切られる違法行為であると認識し、好奇心を捨て、スムーズな通行に協力するべきだったと批判している。