未納の給食費28万円を「全額払いましょうか?」 4児の父の申し出に学校は…
学校側も苦労している給食費未納問題。男性の申し出はありがたいが、「それで良いのか」という声も。
「すべての子供たちに満足な食事を…」と願ってやまない男性が、学校の給食費未納問題に対し驚きの行動に出た。イギリスの『Mirror』や『Daily Record』が報じている。
■「未納の場合お子さんには…」
「一足早く訪れたサンタクロースのようだ」と話題となっているのは、イギリス東部のエセックス州に住むシモン・ハリスさん。彼はSNSで先日、ウェールズ・グウィネズ州にある中高一貫のイスゴル・ディフリン・ナントレ校が抱えている問題について知った。
同校のネイル・フォーデン校長が「給食費未納分が1,800ポンド(日本円で約28万円)にも膨れ上がっています。未納のご家庭のお子さんには、今後は給食を提供できません。早急にお支払いください」という手紙を保護者に宛てて送り、それがSNSで拡散。
賛否両論を巻き起こしていたのだった。
■「私が全額お支払いします」
フォーデン校長の情け容赦のない手紙に、世間は炎上。「このパンデミックの中、どこの家庭も余裕があると思っているわけ?」「貧困家庭の子供たちは飢え死にしても構わないということ?」といった批判が相次ぐ事態となった。
このニュースを知って心を痛めたのが、自身も4人の子供を育てるシモンさんだった。「子供たちを空腹にさせるわけにはいかない」と感じた彼は、同校のTwitterに「私がその未納分全額をお支払いしましょうか?」と書き込んだ。
■理解を求める学校
相次ぐ批判に対しフォーデン校長は、本当に支払えず困っている家庭があることも把握しているとしたうえで、「ただ、大半は『支払えるのに払わない』というご家庭です。その方たちに対し、何かアクションを取らなければなりませんでした」と釈明した。
いずれにしても、未納の家庭は州の評議会から請求書が送られ、所得を証明させられるケースも多々だとして、さらなる理解を求めるメールを保護者宛てに送っている。
■州評議会も対応
この騒動を受けて11日、グウィネズ州評議会の担当者は、支払えない家庭はまず学校や教育委員会に連絡をするようお願いしている。またオンラインシステムも導入され、所得に応じて免除になる可能性があることも説明した。
一方、シモンさんは「支払えるはずなのに払わない家庭があることは知っています。でも、子供がその代償を払う必要はないです」とメディアに語っている。彼の申し出に学校からの返答はまだないという。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)