新生児のいびきに思わぬ病気の可能性 両親は「子育て世代に知ってほしい」
子供の体調に異変を感じたら、すぐに病院へ。手遅れになってからでは後悔しか残らない。
子供の体調に少しでも異変を感じたら、楽観視や放置は絶対に危険だ。新生児のいびきに思わぬ病気が潜んでいる可能性があることを、イギリスの『The Sun』や『Mirror』が報じている。
■いびきのような寝息
オーストラリアのシドニーに住むジル・フェラーリさんは、4年前に男の子を出産し、ヒューイくんと名付けた。産後の検診では何ら異常は見つからず、健康そのものに見えた。
しかし生後2ヶ月になると、ヒューイくんは就寝中に突然大きな寝息を立てるようになった。「単なるいびきかしら」と思ったジルさんは、最初のうちは気にも留めなかったという。
■徐々に募った不安
しかし、時々ヒューイくんの寝息は荒々しくなり、口呼吸になるうえ、寝苦しそうにすることも。ジルさんは不安を感じて、小児科を受診した。
当時のことを、「心配になりいくつか病院を回りましたが、どこでも『新生児にはよくあること。大丈夫ですよ』と言われるだけでした」と振り返っている。
その後も不安を拭いきれなかったジルさんは、荒々しい寝息に加え、ヒューイくんの体重が誕生時からあまり増えていないことに気づいた。
■検査結果に愕然
さらに大きな病院の小児科を受診すると、ヒューイくんの症状を聞いた医師は険しい表情になった。詳しい検査の結果、医師は重々しい雰囲気で「非常に言いにくいのですが、息子さんはがんにかかっていると思われます」と伝えられ、ジルさんと夫は愕然としたという。
シドニー小児病院に移り、生検を含むさらに詳しい検査を受けたところ、ヒューイくんは「神経芽細胞腫」を患っていることが判明した。ステージはすでに4。
首に手術不可能な5センチほどの腫瘍があり、がんは肝臓にも移転し、本来の5倍の大きさに腫れていることが分かった。
■奇跡的に回復
生後間もないヒューイくんは、その後7ヶ月間にわたり8クール(抗がん剤投与と休養のサイクル)の過酷な化学療法を受け、奇跡的な回復を見せた。
現在4歳半になったヒューイくんは、言葉の遅れを取り戻すため日々学習に励み、ジルさんと夫は「この子は私たちの人生の光です」とメディアに誇らしげに話している。
ふたりは今、オーストラリアの小児がん研究所を支えるべく、精力的に募金活動を行っている。「この病気のことを、子育て世代の人々にもっと知ってもらいたい」と話す表情は真剣そのものだ。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)