骨董品と眠っていた60年前のラブレター 一途な愛に感動した女性が受取人を追跡
男性は変わらぬ愛を信じて手紙を書き、恋人の存在を励みに戦地で過ごしたのだろう。
遠く離れた恋人をひたすら思い、戦い続けた男性兵士。そんな男性が60年前にしたためたものの、届くことがなかった1通のラブレターに感動した女性が、受取人の女性について追跡を試みたという。
映画のようなロマンチックな話題を、イギリスの『Mirror』やフランスの『Opera News』が報じている。
■骨董品にまぎれたラブレター
アメリカ・ニューヨークに住む28歳のチェルシー・ブラウンさんは、ある日、地元のフリーマーケットで骨董品を購入した。するとその中に、「Dear Cookie」という書き出しで始まる1通の手紙が入っていることに気づいたという。
欧米では愛おしい人を「クッキー」の愛称で呼ぶことがあり、チェルシーさんはすぐに、久しく会えない恋人へ綴られたラブレターだと感じた。
■愛に感動し受取人探しに
手紙の差出人は兵士のボビーさんという男性で、「遠く離れていても、いつも君のことを思い、愛を送りながら戦っているよ」と書いてあった。
戦地でも恋人を愛おしく思い続ける様子に感動したチェルシーさんは、手紙を受け取るはずだった「クッキーさん」を探し出すことを決意。
しかし、日本のような戸籍制度がないため、GoogleやSNSで検索するしか術がないうえ、唯一の手掛かりは「クッキー」という広く使われている愛称だ。
途方に暮れたチェルシーさんだったが、あるとき、オンラインで家系図を制作するウェブサービス『MyHeritage』の存在を知り、クッキーさんらしき人物を発見した。
■手紙を読んで涙
クッキーさんは家族を持ち存命であることが分かり、チェルシーさんの心は踊った。家系図から入手した彼女のいとこに宛てて手紙を送り、事情を説明しつつ、ボビーさんからの手紙を同封した。
すると数日後、いとこから返事が。
「クッキーは当時、ニューヨークでキャビンアテンダントをしていました。彼女はボビーさんのことをしっかりと覚えており、ラブレターを読んで泣き出してしまいました。手紙を受け取って、とても幸せそうでした」と、クッキーさんが感動している様子が書かれていたという。
■家宝や手紙を持ち主の元へ
インテリアデコレーターの仕事をしているチェルシーさんは、普段から趣味で街中のフリーマーケットに出かけ、100年以上も前の骨董品を購入することがある。
さらに父親は系図学者をしていたため、依頼された人物や行方不明になっている家宝を探し出す姿を、幼い頃から見て育ってきた。その跡を継ぐかのように、これまでに200個以上もの骨董品を持ち主に返してきたという。
「骨董品市の中には、家族の家宝や手紙など大切なものがよく混ざっていて、とても心が痛むのです。そのたびに私は主を追跡し、送り返したくなるんです」とメディアに話している。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)