業者は「加工希望なら追加料金」 現代の卒アル事情に保護者は愕然
これから先の卒業アルバムは、蠟人形のような肌、デカ目、小顔の生徒の写真ばかりなのだろうか…。
12歳の娘を持つ母親が、現代ならではの卒業アルバム事情をTwitterで明かし、世間を驚かせている。アメリカの『New York Post』やオーストラリアの『news.com.au』などが報じた。
■卒アル写真に加工が必要?
アメリカのメリーランド州に住むジェニファー・グリーンさん(43)には、マデリーンちゃんという12歳になる娘がいる。数日前、自身のTwitterで「学校から配布された“お知らせ”を読んで愕然としたのよ」と明かした。
小学校の卒業の際に発行される卒業アルバムの写真を、制作業者が「加工しますか?」と尋ねてきたというのだ。
■「完璧である必要はない」
そのお知らせには「写真の加工を希望される方は、追加料金12ドル(日本円にして約1,400円)をお支払いください。例えばソバカスを消したり、歯のホワイトニングや矯正、肌の色の修正や傷跡の除去も可能です」と書かれていた。
ジェニファーさんは「読んでショックを受けました。クリック一つで完璧なルックスになる、そんなのバカげていて私は絶対に反対です。そもそも完璧でいる必要なんてないでしょう」と強い語調で批判している。
■近年人気のオプション
また、2人の聴覚障害児の母親であるホイットニー・ローズさんは、「学校の写真から、3歳の息子の補聴器が消えていたんです」とTikTokで語り、220万回以上もの再生回数を記録している。
「補聴器は彼らの大切な体の一部、頼りなんです。本人たちも気に入っているし、恥ずべきものではないのに」と業者を非難した。
だが、ある業者はメディアの取材に「最近では、各学校のほとんどの写真に加工が施されています。事実、オプションの中では一番人気といっていいほどのサービスになってきているのです」と明かしている。
■親が気にしすぎている?
SNSや写真アプリでは、今や当然のように美肌加工や修正が施され、肌は真っ白でホクロが一つもない蠟人形のような肌に仕上がる。
しかし、それは自分の現実の顔と見比べて落ち込むことにもつながり、若年層の女性のうつ病や社会不安症状の原因の一つにもなっているのだという。
ニューヨークで10年以上、学校の写真・アルバム関連を担当してきたヘイディ・グリーンさんいわく、「子供の写真に完璧さを求める傾向は、じつは子供より親に多く見られる」とのことだ。
しかし、それは子供にとって重荷になることも。ひいては不安や気分の落ち込み、摂食障害、身体醜形障害につながる可能性があるため、注意が必要だと指摘している。
・合わせて読みたい→10代女性の3割が「無加工のカメラが怖い」 写真の加工に慣れたせいで…
(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)