カバが増えすぎると生態系に悪影響? ダーツを使った避妊方法に注目集まる
麻薬王が飼育していたカバが増えすぎて、南米最大の群れに? コロンビア当局はカバの不妊化を決断した。
コロンビアの「麻薬王」と呼ばれたパブロ・エスコバルの死後に残されたカバが増え続けており、侵略的外来種として不妊処置が施されることになった。『ワシントン・ポスト』『BBC』などの海外メディアが報じている。
■豪邸に飛行場や動物園
パブロ・エスコバルは、コロンビア最大の麻薬密売組織『メデジン・カルテル』の創設者であり、悪名とともに莫大な富を築いた人物としても知られている。
広大な敷地を誇る自宅には豪邸やプールはもちろんのこと、飛行場や私有の動物園も存在。生前に違法で輸入し飼育していた通称「コカインカバ」は、エスコバルの死後も繁殖を続け、今ではアフリカ以外では最大の群れと呼ばれるほどに、数を増やしてしまった。
■増えすぎた麻薬王のカバ
最初は4頭しかいなかったカバは、現在では80頭もの群れになっている。コロンビアの生物学者は、大量のカバの排泄物が、水中の酸素濃度に悪影響を及ぼす可能性を指摘した。
保護生物学ジャーナルの『BiologicalConservation』では、カバの群れを駆除することを推奨している。しかし現地の人々は動物の権利の保護、またカバが観光の名物になっていることからも、不妊化させることを選択したという。