重症化後に「打って」と哀願するも… ワクチン拒否夫婦が子供ら残し新型コロナ死
新型コロナウイルスワクチン反対派だった夫妻だが、自身が感染して重症化すると「打ちたい」と看護師に哀願した。
新型コロナウイルスワクチンに強い不安を訴え、反対し、断固拒否し続ける人々はいまだに多い。しかしアメリカでは、そのために感染して重症化し、子供を残して死亡した人たちの話題も絶えない。
『NBC News』『PEOPLE』などが、また1件の悲しいニュースを伝えている。
■残された子供4人と孫
アメリカ・バージニア州で9月23日、新型コロナウイルス感染症が重症化し、ミスティ・ミッチェムさんという46歳の女性が死亡。さらに今月8日には、夫ケヴィン・ミッチェムさん(48)もその後を追った。
ふたりの結婚生活は17年を迎え、リアさん(14)、双子のテイラーくんとエイデンくん(11)という3人の子供にも恵まれた。
またケヴィンさんが以前に関係があった女性との間に生まれたエンジェルさん(22)と、その子供であり来月2歳になる孫のことも、大変かわいがっていたという。
■ネット情報の影響は大きく…
このほど、父方の伯父マイク・ミッチェムさんとともに『PEOPLE』の取材に応じた子供たちは、「両親のようにならないで。皆さんは必ずワクチン接種を受けてください」と訴え、人々の涙を誘った。
マイクさんはケヴィンさんに「ワクチン接種を」と何度も促したが、ミスティさんとともに「ネットに書かれている悪い話を読むと怖くなる。絶対に打たない」と繰り返すばかりだった。
73歳の母親は、愛する息子ケヴィンさんの死にひどく打ちひしがれているという。
■重症化して気持ちが一転
新型コロナウイルスワクチン接種に強く反対してきた夫妻だが、感染して重症化し、入院が必要と診断された瞬間に、その気持ちは一転していた。
マイクさんは「ふたりは『今からワクチンを打てば治りますか?』『お願いだから打ってください』と看護師さんに哀願したようです。そして『今からではもう遅すぎます』と言われ、ひどく落胆した様子だったと聞いています」と話している。
■残された子供たちは…
9月上旬、ケヴィンさんが最初に新型コロナウイルスに感染し、その数日後にミスティさんの感染も判明した。糖尿病だったミスティさんはみるみる病状が悪化して入院。同22日には腎臓が50%しか機能せず、人工呼吸器の装着が必要になった。
さらに23日、ケヴィンさんも重症化して入院が決まったが、その数時間後にミスティさんが息を引き取った。まだ幼い子供たちは、サウスカロライナ州の親類宅に引き取られたという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)