父親を惨殺した25歳息子が逮捕 「アル中父親の暴力から母を守りたかった」
我慢に我慢を重ねながら成長した息子2人。母親を守るため、あるとき激しい怒りを爆発させたのだった。
何事においても実権を握り、常に強い態度をとる父親と、ひたすら従順な母親。アルコール依存の問題まで加わり、子供たちも父親の家庭内暴力に戦々恐々とする日々を送っていた。
インドのある家庭に起きた悲劇的な殺人事件の話題を、『Times Now News』『Times of India』などが報じている。
■25歳の息子が逮捕される
マハラシュトラ州ムンバイ市のコカニパーダで12日の午後7時頃、60歳の男性が実の息子に惨殺されるという事件が起きた。
父親のアンナラオ・バンソードを殺害した容疑で逮捕されたのは、運転手として働いていた息子のサンディープ(25)。警察の取り調べに対しては、「父は酒を飲んでは母親に暴力をふるっていた。母親を守りたかった」と話したという。
■「これ以上我慢できなかった」
家族によれば、アンナラオはアルコールに重度の依存があり、連日のように酒に酔っては妻のジェイマラさんを虐待。2人の息子は幼い頃から父親の理不尽な暴力と、それに苦しむ母親の様子を見ながら育ってきたのだった。
「これ以上我慢できなかった。母親の命を救うためだった」とも話したサンディープ容疑者だが、父親に対する攻撃は常軌を逸したむごたらしいもので、警察は殺人罪での起訴を予定している。
■間に割って入った2人の息子
事件当日のアンナラオは、ガスレンジで熱くあぶったハンマーを床のタイルに打ち付けながら妻を威嚇。その後に身体的な暴力が始まった。
間に割って入った2人の息子も暴力をふるわれ、そこでサンディープ容疑者が刃物を手に取りアンナラオを刺した。さらにハンマーを奪い取り、何度もその体に振り下ろしたことを認めているという。
■父親の瞳に悪魔を見た例も
アメリカのマサチューセッツ州では今年6月、19歳の息子が酒乱の父親を殺害。「父の瞳に悪魔の姿が見えた」と話し、話題になっていた。
父親はアルコール依存症のリハビリ施設に入所するも効果が出ず、再び深酒する姿に家族全員が絶望していた。バーで泥酔する父親に肩を貸しながら歩き、車に押し込むのは、いつもその息子の役目だったという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)