9割がキリスト教徒のブラジルに西洋最大の大仏 現地で歓迎された背景を直撃
今年8月、ブラジルに西洋最大規模の仏像お目見え。禅宗の曹洞宗が建立した。
南米ブラジルで8月下旬にお披露目した日本風の巨大な大仏像。有数の観光地として期待され、日本と海外のメディアが一斉に報じた。国民の大多数がクリスチャンのお国柄、鳥居もある異風な光景ながら、歓迎されている背景は何か?
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■西洋の仏像では世界最大
同国南東部のエスピリトサント州の小さな市に完成。ここに寺院を構える「白雲山禅光寺」(クリスチアノ・ロザ・ビッチ住職=日本名ビッチ大樹)が2018年に建設に着手し、およそ2年がかりで建立した。
大きさは首都・リオデジャネイロのキリスト像(高さ30m)を超える35mで、西洋での仏像としては最大規模という。駐日ブラジル大使館は公式HPで「インスタ映え、ブラジル!」と移民大国ブラジルと日本の文化・歴史の絆をアピール。
しらべえ編集部は、建設に至った経過と今後の抱負を、同住職と両輪で寺を運営するイタリア系ブラジル人の副住職、アルベルト・トロファネト・ビッチさん(27)=日本名、ビッチ研道=にインタビューした。
■「せめて観光資源に」
アルベルト副住職:2018年に着手し、コロナウイルスによる遅れを経て、ようやくお披露目に至りました。設計図はありましたが、技術上の問題もあり、こんな大きなサイズが実現するとは思いませんでした。
州外の人も含めて月間約2万5千人の人が見学や修行に訪れています。鳥居のある公園もあり、入場は自由です。この市は人口1万2千人と小さく、経済的に貧しい。工場など産業がなく、働ける場所がない。
せめて観光資源にと、大仏を新設しました。敷地内にはレストランがあります。アイスクリームを売る店や喫茶店などが立地し、街が活気づいてほしい。