60代以下のブレークスルー感染死が相次ぐ米 活動的な基礎疾患持ちにも追加接種決定
活発に出歩く年齢層で肥満や基礎疾患がある人は、やはり3回目のワクチン接種を受けたほうが安心だ。
現在アメリカでは、「新型コロナウイルスに感染し、重症化して入院する人の99%がワクチン未接種者」などと報じられている。
気になるのは残りの1%だが、ミシガン州では2度の接種を済ませていた60代以下のカップルが相次いでブレークスルー感染し、死亡したという。『NYデイリーニューズ』『Fox News』などが続々と報じている。
■夫婦にはともに肥満と基礎疾患
アメリカ・ミシガン州で9月26日、おしどり夫婦として親しまれてきたある夫婦が、病室で手をつなぎ合い、生命維持装置を外したわずか1分の差で息を引き取った。
夫婦は、同州グランドラピッズ市のカル・ダナムさん(59)と妻のリンダ・ダナムさん(66)。死因はともに新型コロナウイルス感染症だった。そろって肥満と基礎疾患の問題を抱え、2度のワクチン接種にもかかわらずブレークスルー感染を起こしていた。
■全身症状がみるみる悪化
地元テレビ局『WXMI-TV』の取材に応じた娘のサラさんは、感染当時の状況について「7月の家族キャンプ旅行で両親は体調を崩し、副鼻腔炎か風邪だと思っていたのに悪化したため、キャンプを途中で切り上げました。病院での検査で新型コロナ感染が判明したのです」と説明している。
全身症状はみるみる悪化し、人工呼吸器が必要となり、やがてECMO(体外式膜型人工肺)など生命維持に必要な機器がそれぞれに装着されたという。
■「追加接種が最も必要な人たち」
2度のワクチン接種を済ませたのになぜ重症化したのか、納得がいかないサラさんに、医師は「ご両親にはそれぞれ、抗体値の低下につながる要因がありました。3回目の追加接種(ブースターショット)を最も必要とするケースだったと言えるでしょう」と説明したという。
せっかくのワクチン接種で得た抗体が減少する原因としては、これまでにも肥満、大量飲酒、基礎疾患などの問題が指摘されてきた。
■「活動性の高い年齢層に早く」の声
旅行、飲食、レジャー、イベントなど、先進国では人の流れや交流を生む社会活動が活気を取り戻している。
そのため、米国疾病管理予防センター(CDC)は先週、ファイザー製ワクチンのブースターショットを受けることができる対象者に、65歳以上ばかりか基礎疾患を持つ50歳から64歳の人を加えると発表していた。
活発に出歩く年齢層にも多い肥満や基礎疾患。そうした人たちが早く3回目のワクチン接種を受けられるよう望む声は、世界中で高まっているようだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)